あらすじ
データ分析のお作法を学ぶ。それが、この本の目的です。
……まことしやかな数字が、実際の所、どれほど当てになるものなのか。たまねぎの皮を1枚ずつ剥くようにして、喧伝された事実に隠されたもう一つの"事実"を見つけ出すにはどうしたらよいのか。そのためのスキルを学べます。
著者は、ITベンチャー勤務のマーケターにして、データサイエンティスト。データ分析のプロジェクトで数多くの失敗も味わいながら、「生傷で得た教訓」を糧に著しました。
新型コロナの感染拡大、戦後最長の好景気、貧困率にひきこもり……。ニュースを賑わせた事象を題材に、「データドリブンに真実へ迫ると、どのような実態が見えてくるか」を紐解き、そこで使ったスキルを解説します。
データ分析とはアートであり、すべてのビジネスパーソンに必要な能力です。
数字が読めても、それが何を表しているかが分からなければ「分析」とは言えません。数字だけでなく、起きていることの全体を解釈し、時に俯瞰し、データの裏にある何かを探っていく。データに目を配り、また必要があれば提示されたデータを疑う。それが"考える"ことです。データ分析は多様な知的スキルを組み合わせたアートでもあります。
そうした分析力はデータ分析の専門家だけでなく、あらゆる分野のビジネスパーソンにとって必要な能力です。本書がこのような能力を養うことに少しでも貢献できればこれ以上の喜びはありません。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
データの分析のしかたなどが事例とともに書かれていて目から鱗でした。
統計手法の様なテクニカル要素は少ないですが、電子政府の事例などでは参照データの必要性にうまくできてるな!と感じました。
Posted by ブクログ
データはどこを見るかによって変わる。
公的統計で誤ったデータが表に出ている。どうしてそうなったのか。2019年末から話題になった「毎月勤労統計」などの統計不正問題。今も終わっていないので始末が悪い。
著者は「統計制度の複雑骨折」と指摘している。チェック機能の崩壊、統計調査の外部委託、ヤミ統計の横行、制度の疲労の4つだ。
国家の現実を見るために必要な統計が当てにならないのはまずい。人材不足が問題の根幹にある。
旅行業界の守護神、二階幹事長のような大物政治家がいないようだな。統計ではおいしい見返りが得られないので、政治家の先生方は食いつかないで困ったものだ。
メディアリテラシーも必要だが、データリテラシーもないとコロッとだまされる。「タヌキ」や「キツネ」にだまされないように気をつけないと危ない。