【感想・ネタバレ】古代の鉄と神々のレビュー

あらすじ

葦や茅の根の周辺では、鉄バクテリアの作用により褐鉄鉱の団塊が作られることがある。俗に「高師小僧」と呼ばれるこの団塊から、鉄を製錬する技術が弥生時代に存在した―。腐食しやすいために考古学的資料として姿を現さないその褐鉄鉱の痕跡を、著者は神話や祭祀のなかに見出していく。諏訪大社の御柱祭で曳行される柱は製鉄炉の押立柱に由来し、またイザナギ・イザナミの二神こそ古代の鉄文化(鐸=サナギ)を象徴する神であるという。大胆な推論により古代日本の謎に迫る名著、待望の復刊。

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Posted by ブクログ

鉄を主軸に語られる、古代の姿。

弥生時代には国内製鉄が行われ、製鉄と鍛治は段階を経て高度化する。そしてそのヒントは祭祀の場に残っている、という説を展開します。

本書によると、弥生時代の製鉄とは「褐鉄鉱」を用いていたとしています。やがてより硬く腐蝕しにくいタタラ製鉄の技術に代わられていく。

その流れと鉄の影響を、各地の神社祭祀、地名、史書、伝承、考古などの様々な面から、可能性を見出しています。

褐鉄鉱は湿原の葦などの根元に塊としてできる。
その鉄を用いて、稲作が進められる。
「豊葦原の瑞穂の国」は鉄と稲の両輪を示すものである…。

本書は昭和60年に刊行されたものの文庫化ですが、古さを感じさせない、興味深い内容でした。

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2020年09月16日

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