あらすじ
【内容紹介】
これからの企業成長に不可欠な能力、「ビジネスアジリティ」の正体
ビジネスアジリティは「ビジネスの俊敏性」と訳されることが多いが、話はそう簡単ではない。
「市場のニーズをいち早く掴む能力」「迅速に意思決定する能力」「当初の見込みから外れた計画をすぐに修正する能力」「何か問題が生じた業務を素早く特定し、修正する能力」……。
これら多様な組織能力を融合し、総体として発揮されるのが「ビジネスアジリティ」なのである。
経営環境が不確実な今、「ビジネスアジリティ」は企業の継続的な成長に不可欠な能力といえる。
では、どうすれば「ビジネスアジリティ」が手に入るのか?
既存の組織構造は何が問題で、どこを改善すればいいのか?
20年以上にわたって企業のビジネスプロセスマネジメントのアドバイザを行ってきた著者が、明快に解説する!
【著者紹介】
[著]山本 政樹
株式会社エル・ティー・エス 執行役員
アクセンチュアを経てLTSに入社。ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)、情報システム導入案件におけるビジネスアナリシス(BA)、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の導入など、ビジネスプロセス変革案件を中心に手掛ける。
また、企業情報化協会にてビジネスプロセスマネジメント(BPM)の研修講師を務めるなど、BPMおよびBAに関する啓蒙・教育活動を実施している。
米国PMI認定PMP(Project Management Professional)、TOGAF9R Certified、IIBA認定CBAP(Certified Business Analysis Professional)、SAFe4.0 Agilist、IC Agile Coaching Agile Transitions (ICP-CAT)。
著書に『サービスサイエンスによる顧客共創型ITビジネス』(共著)、『ビジネスプロセスの教科書』、『Process Visionary』(共著)。
【目次抜粋】
◆はじめに:これからの経営に求められる新たな力
◆第一章 変化に適応する組織能力ビジネスアジリティとは
ビジネスの俊敏性が企業の競争力を左右する
アジリティの根底にある三原則
今なぜビジネスアジリティが注目されるのか
◆第二章 新事業の創造 ~正確だが遅い判断から、迅速で常に軌道修正する判断へ~
素早くはじめ、駄目なら素早く撤退する
これからは経営と現場の役割が逆転する
◆第三章 ビジネスプロセスマネジメント ~実行一辺倒から、構造管理と変革へ~
デジタル化で変化する社員の役割
業務を構造的に分解して理解する
部門を越えたネットワークでプロセスを最適化する
◆第四章 デジタルソリューションの活用 ~外部任せの技術活用から、自社に必要十分な技術活用へ~
ビジネスの理解こそがデジタル技術活用の最大の鍵
ビジネスとエンジニアリングの距離を縮める
◆第五章 広がるアジャイルメソッドの適用 ~さまざまな領域で進むオペレーション変革~
個人主義からチーム主義へ移行するセールス&マーケティング
調達をより迅速でオープンなものに
“Beyond Budgeting”でこれまでの予算管理を超えていく
人事で進む年次評価とランク付けからの脱却
◆第六章 フラット化する組織 ~サイロを越えて連携するネットワーク型組織へ~
組織は階層型から、よりフラットなネットワーク型へ
無視できない階層型組織のメリット
サイロを越えて連携していく社員を育てるために
◆第七章 アジリティの鍵は個人の自律 ~リーダーだけではなく全員が発揮するリーダーシップへ~
リーダーシップは“リーダー”だけのものではない
“徹底的な情報公開”が個人の自律を促す
困難な問題を解決に導く“アダプティブ・リーダーシップ”
これからは人と組織の関係性が変わる
◆終わりに:一人一人がアジャイルな組織に
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Posted by ブクログ
Business Agility
著:山本 政樹
ビジネスアジリティとは、外部の環境変化に素早く適応するための組織能力を指す言葉である。企業が自らを迅速に作り変える力。昨今の不確実な経営環境において企業が継続的に成長していくために、今この新たな力が注目されている。
市場の変化を敏感に察知し、常に新たなことに挑戦する強い組織文化を形成し、このような文化の上でさまざまな事業を生み出し、取捨選択しながら、伸びる事業を集中して育てていく。ビジネスアジリティが示すのは、新しい企業組織の在り方である。
構成は以下の7章から成る。
①変化に対応する組織能力ビジネスアジリティとは
②新事業の創造
③ビジネスプロセスマネジメント
④デジタルソリューションの活用
⑤広がるアジャイルメソッドの適用
⑥フラット化する組織
⑦アジリティの鍵は個人の自律
2010年頃から、語られだした本概念。その必要性を世の中が認識したのは、「新型コロナウイルス」の時代をどう乗り切ったかが転機となる。業種・業態によるものの、凌いだのではなく、それを機会と捉え、適応した国・業種・組織が今その場でのリーダーとなり躍進を果たしている。
ビジネスアジリティは、トップから降りてくるものではない。トップから降りてくる提言はあるものの、一人一人の「個」が理解し、自律する中で、「自律」したチーム、そして「組織」としてそれぞれがリンクした、生きた適応により生きたマネジメントから生きた新しい価値を顧客に提供することができる。
変化には大きなストレスが存在する。しかし、それから逃げて後にはより多くの弊害が訪れる。変化が当たり前の企業・チーム・個人の時代が訪れている。