あらすじ
■いったいどういう人なの!女性はみんな自分の所有物だと思っている。■ローズは親友の結婚式で、エキゾチックな男性に声をかけられた。シルクの衣装をまとい、漆黒の髪と瞳を持つ彼は、なんと中東の王国マラバンのハリム王子だった。愛人が数えきれないほどいるという、もっぱらの評判だ。目の前に立たれただけで、その強烈な魅力に息が苦しくなる。ローズは執拗にデートに誘われたが、ひたすら断り、逃げるように式場をあとにした。惹かれながらも、ひどく危険な雰囲気を感じたのだ。ハリムは初めて女性に拒絶されたことにショックを覚えていた。そんな女がこの世にいたとは。腹立たしいが気をそそられる。なんとしてもローズを口説き落としたい。ハリムは側近に命じた。「彼女の住所をすぐに突きとめろ!」
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Posted by ブクログ
中東にある王国マラバンの傲慢王子ハリムと、ロンドンの一般女性ローズの物語。
親友の結婚式で出会った2人は、お互いにほとんど一目惚れ状態で、あっという間に惹かれあいます。
しかし、彼が女好きの遊び人であることを知っていたローズは、愛人の1人になるつもりなどなく、彼をあっさりと拒絶し、式場を後にします。
ローズに振られた後の、ハリムの発言には、笑ってしまいました。「僕も腕が落ちたらしい!」「どうして彼女を口説き落とせなかったのだろう。失敗したことなど今まで一度もないのに。」
もう、お口ポカーンです。さすが王子様、世界が違う…。
女性を追いかけたことなどないハリムが、ローズを追いかける2人の攻防戦はなかなか面白かった!
ハリムは、ヘッドハンターの仕事をしているローズに、製油所の責任者選びの仕事を依頼します。ローズはその仕事を引き受け、マラバンを訪れることに。マラバンで2人は、恋人同士へと進展しますが、共に生きる将来は無い、ほんの一時の関係であることは、お互いに了承済みの関係でした。
その後、2人はロンドンへ一旦戻り、同棲生活を楽しみますが、彼のお父様が亡くなったことにより、ハリムは国王になる道を、ローズは彼ときっぱり別れる道を選びます。
彼がマラバンで妻を娶り、子供が生まれる、それを愛になって遠くから見ていなければならないなんて、絶対に耐えられないというローズの気持ちは痛いほど理解できたので、切なかった…。
そして彼が購入してくれた豪邸をあっさりと売り払い、マラバンの孤児院に寄付してしまったローズの潔さは、素敵だなーと感じました。
最後はもちろんハッピーエンドですが、ハリム、何もしてないかも?(笑)
傲慢王子のハリムですが、ローズの前では、かなり押され気味でなかなか主導権を握らせてもらえないところが、面白い作品でした。