あらすじ
今も地面の下でモゾモゾしているのに,めったに会えない生き物,モグラ.モグラを愛する若手研究者が,謎の地下生活を解説し,難しい系統分類に挑みます.捕獲のためのフィールドワーク,特徴を調べる形態学,染色体にDNAの分析.様々なテクニックを駆使するモグラ博士の生活を知れば,生物研究の実態まで明らかに!
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Posted by ブクログ
学生用(小中学生か、高くとも高校生?)なんだけど。
でも、大人でも興味深い内容が網羅的にカバーされているなー。
モグラの研究に人生捧げる人。
そりゃいるよなー!って。
あまり考えたことなかったけど。面白かった。
日本にも、普通に農害になるくらいいるらしいけど、よく考えたら見たことないな。日本ってなんであんなにモグラがモグラたたきだったりアニメだったり出てくるのか。確かに不思議。
興味深かったのは、モグラにも尻尾があるんだ、ってこととか、モグラの毛が実はハムスターみたいに柔らかくてふわふわなんだ、ってこととか(カモノハシとかみたいなごわごわ系を想像していた)、モグラ研究者になるためにはまずは捕まえるプロになることが重要でそのためにモグラ捕獲器を使ったり時には待ち伏せて素手で取るんだ、って話とか。モグラ塚なるものが出来上がる(そしてそれ故モグラたたきのような頭だけ出す形態というのは基本あり得ない)んだ、ってこととか。
今この時代にあっても、まだまだ新種って見つかるんだなぁってこととか。あ、あと、モグラの耳は穴だけ、とか、目は皮膚で覆われていて使い物にならないんだ、とか。いろいろ知らなかった(というか考えもしなかった)事実。
普段意識しない世界過ぎて面白かった。
しかもちびっこ向けのおかげですごいサクッと読めて。お勧めっす。
Posted by ブクログ
モグラと聞いて思いつくのが、モグラたたき、ミミズ好きというくらいか。形からしてネズミの親戚かと思っていたら、著者曰く、モグラとネズミは、相当違っているという。モグラは、ミミズや虫を食べる点で「肉食系動物」であり、その一方、ネズミは、木の実や葉っぱを食べるので「草食系動物」と言える。
暗い所にいるくらいだから光に弱く、地上にいるときはタモリのようにサングラスが必要なのかと思ったらそれも違っていた。目は皮膚に覆われていて、光を感じることができないそうだ。
ネズミと言えば、最近、東京メトロ日比谷線の日比谷駅の改札付近で見かけた。ちょうど階段を降りている途中で、地面を丸い物体がさっと通り過ぎる姿を見て、ネズミだと分かった。ずいぶん丸々とした「メタボ」ネズミだった。近くに、ザ・ペニンシュラホテルやちっと歩けば、帝国ホテルがあるので、いいものを食べているに違いない。もしかしたらモクモク羊よりもグルメかもしれない。
あの今話題になっている尖閣諸島にも「センカクモグラ」というモグラがいると書かれている。ヤギが繁殖して数百頭にまで増えて、植物を食い漁り、環境を破壊していると指摘している。その上、気温が上昇しているので、モグラも影響を受けて、センカクモグラはモグラ科の中で、危機的な状況にあると述べている。
この岩波ジュニア新書は、中高生向けに書かれているので、読みやすかった。モグラ博士のさらなる活躍を期待しています。
Posted by ブクログ
[日販MARCより]
ふだんあまり見ることのないモグラ。彼らはどんな生活を営んでいるのか。どんなモグラが生息しているのか。形態分析から進化まで、身近なのに謎に満ちた地中生物・モグラに、若手研究者が挑む。
[BOOKデータベースより]
そういえばあまり見たことがない生き物、モグラ。彼らはどんな生活をいとなんでいるのか。世界にはどんなモグラが生息しているのか。身近なのに謎だらけの地中生物に魅せられた若きモグラ博士が、形態分析から進化まで、モグラと生物研究の世界へと誘います。モグラだけでなく、生物学者の実態に関心がある中高生にもオススメです。
1 モグラ博士のモグラ紹介―生態学的モグラ入門
2 僕がモグラにハマるまで―研究者への道
3 世界のモグラを探しに―フィールドワーク入門
4 モグラの体を調べつくせ!―分類学入門1 形態分析
5 モグラの来た道―分類学入門2 染色体・DNA分析