あらすじ
【イラスト付き】やり手のディーラーである遠野秋文は、ある日、藍沢茜という年下の男性と出会い、身体を重ねる。藍沢は新人のアーティストで、ギャラリーで働きながら油絵を描いているらしい。過去グラフィックデザイナーと付き合い散々な別れを経験した遠野は、アーティストにあまりいい印象を持っていなかったが、優しく温かな人柄に惹かれ、藍沢と付き合うことにした。一心に愛し支えてくれる藍沢のおかげで、長年抱えていた家族との関係にも整理がつき、遠野にとっても藍沢はかけがえのない相手になっていた。しかし、画家である藍沢に決して言えない「秘密」が遠野にはあった。その「秘密」を打ち明けるべきか隠し通すべきか…。決断できずにいた矢先、小さな出来事がきっかけで藍沢に別れを告げられてしまい…? 電子限定書き下ろしSSを収録!!
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様々な時間を超えて
自分の「特性」が、壁となり出会いを別れに変えてしまう
一度その辛さを味わうと一歩が踏み出せなくなる。
好きな言葉に「この世に偶然はない、逢うべくして逢う」
一度目は、そのタイミングじゃなかった。
ただ、それだけ。
Posted by ブクログ
号泣しました。:゚(;´∩`;)゚:。
過去に怯えて早めに攻に打ち明けられなかった受、受が何も話してくれないことに不安を募らせ苛立つ攻。
どちらも悪くないし、どちらも相手が好きだと思う気持ちだからこそ、痛々しくて悲しい。
受がついに秘密を打ち明けるシーンは、お互いがお互いに相手を思いやれなかったことを悔いていて、本当に涙が止まらなくて大変でしたし、その後のベッドの中で受が言った、攻の絵に対する本音がもう嗚咽レベルで悲痛でたまらなかったです。
受が本当に真面目で不器用で、でも人間のリアルってこうなのかな、とも思います。
一方で何も話してくれないことに不安になって責めてしまった攻もまた、人間のリアルだな、と思う。
人生経験を積んだが故の、アラサー男達のリアルな恋愛って感じでした。
Posted by ブクログ
なぜかワタクシの萌えツボを的確に圧してくる…。基本年下攻めがマストなのだよなぁ。
ワンナイトラブ的な導入にも関わらず、一目惚れワンコな攻めの溺愛モードがたまらん。
受けのある秘密でできたすれ違いの別れから…あぁぁ切ない!
雑誌読んでて単行本化しないかと狙ってたん。雑誌は雪路凹子さんイラストだったんよねーどちらも素敵です。コミコミ特典はふたりの日常~受けのツナギに悶える攻め(笑)←エチなし 。コミコミは送料鬼だけどヨネダコウ先生のファイルも貰えた~
Posted by ブクログ
前の恋を引きずった想いと嫌われたくない想いから怯えながらも愛を欲する秋文
真っ直ぐに想いをぶつける藍沢は秋文の本当の姿が見つけられず傷つく
二人がそれぞれに持つ過去の傷や過ちをお互い乗り越え、もう一度手を取り合う、自己再生のお話
凄く深いお話です。
秋文が色弱というハンデを持ちながらも、工夫して仕事をする姿勢を理解や受け入れず妬む同僚にハメられたり、藍沢の愛を取り戻すために殻を破る姿に涙しました。
二人が抱える家族との背景なども書き込まれ読みごたえがありました。
大人の純愛ストーリーです
Posted by ブクログ
初読み作家さん。
油絵を描く28歳の新人画家で年下大型わんこ×32歳の辣腕カーディーラー営業。
秋文は、元恋人との別離で心に深い傷を負っている身で、反動で仕事に没頭するも、その営業成績のすごさから謂れのない嫉妬や嫌がらせを受けて心が折れそうになっていた時、藍沢と出逢い、その一途な気持ちに救われ癒されていきます。
藍沢は積極的でHもリードして料理もできるスパダリぽいところもありながら、年下らしい甘えもみせる、まさに大型わんこ彼氏です。
二人の恋人としての相性は誰が見てもバツグンだと思います。
でも、どうしても告げることができない秋文の秘密のせいで、せっかくの幸せが壊れてしまい、とても辛い展開に。
幸せだからこそ大切にしたくて秋文は言うことができなかったと思うし、過去の恋愛のトラウマも臆病さを植え付けてしまった一因になっているんですよね。
言うべきタイミングを逃してしまった秋文の不自然な態度にどんどん不信感を抱く藍沢の胸中を想像すると、これもまた辛くなります…
一番秋文に励まされたいタイミングだったから、なおさら失望が大きかったはず。
最悪のすれ違い愛なのです。
藍沢が秋文に投げつけた言葉はひどいけど、彼も必死にあがいて作品を産み出して、秋文との関係にささやかな幸せを見出していたのだから、愛されていないと絶望する気持ちもとても理解できて酷い奴とは思えなかったです。
絵によって別れて、絵によってまた愛し合う…という、運命的な二人の関係が繊細なタッチで描かれていて、ストーリーに強く引き込まれてしまいました。
特に、ゲイである二人のそれぞれの家族との関係性がしっかり描かれていて、そういう家庭環境が二人の性格にとても影響を及ぼしていたことに納得しました。
優しさと痛みがデリケートに描かれていて、その後の二人の幸せをそっと祈りたくなる話でした。
作家買いしようかなと思っています。