あらすじ
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ブラジル内陸部に広がる日本の面積の5.5倍の不毛の原野「セラード」。1970年代半ばにはじまった開発から四半世紀、役に立たない熱帯サバンナは、ダイズやトウモロコシの世界有数の穀倉地帯に変貌した。人類史上初めて熱帯圏に近代的な大規模畑作農業を出現させた「農業革命」は、ブラジル日系人の開拓者魂を突破口に、長期にわたる日本の国際協力によって実現した。本書は、農学史上20世紀最大の偉業とたたえられるセラード農業開発の歴史と記録である。
【目次】
●はしがき
●プロローグ ブラジル熱帯サバンナの「緑の革命」
●第1章 セラードの「原風景」と「現風景」
●第2章 セラード農業の扉を開けたパイオニアたち
●第3章 セラード開発を軌道に乗せた日本ブラジル両国協力
●第4章 未曽有の試練を乗り越えてセラード農業は本格的発展へ
●第5章 不毛の原野は世界の穀倉地帯となった
●第6章 「セラードの奇跡」を可能にした人と組織
●第7章 セラード開発の「インクルーシブな発展」と国際的貢献
●第8章 セラード農業の発展と生態系・環境の保全
●第9章 ブラジルの成長戦略と新産業「セラード農業」
●エピローグ 進化・発展するセラード農業の行方
●あとがき
●用語一覧/文献・資料リスト
※本商品は過去にダイヤモンド社から発行されていた商品になります。収録内容に変更はありませんので、重複購入にご注意ください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
JICAが自らのブラジルでのセラード開発プロジェクトについて書いた本。
セラード開発について調べたい際には、よくまとまっているので参考になる。
技術協力の成功例についてのシリーズの一環なので、プロパガンダ的な書き方であることは想定の範囲内であったが、
このプロジェクトの問題点についての記述がほとんどない、もしくは書かれても濁されているようであるのは残念だった。
あとがきにはセラード批判への違和感が述べられ、事実誤認だとしているが、
なぜそう言えるのかの説明はほとんどない。
また、セラードの生態系破壊については文中で触れられているが、畑地面積は少ないということと軽減のための環境対策について述べられているのみであり、これは「セラードにおける環境破壊の要因となっている」を否定しきれるものではない。
これだけ大きなプロジェクトであるから、
失敗点や問題点は色々とあったはずだが、
それらに対しても真摯に向き合い検証した結果を記述してほしかったと感じた。
まあ、このプロジェクトをモザンビークに転移したものが行われている最中なので、
あまり余計なことは言えないのだと思うが…。