あらすじ
銀獣とは、石の卵から生まれる半人半獣の存在。富豪が屋敷に集めた5人の男女に言い渡したのは、1年後にもっとも優れた銀獣を連れてきた者に財産を譲るという条件だった……「銀獣の集い」。故郷で罪を犯したヨキは、孤島の灯台守として5年を過ごすことになるが……「咎人の灯台」。黄金館で母親と暮らすキア。だが、幸せな暮らしには秘密があった……「茨館の子供達」。〈ふしぎ駄菓子屋 銭天堂〉シリーズ、〈妖怪の子預かります〉シリーズで大人気の著者による、美しくてちょっぴり怖い3つの物語を収録した短編集。
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Posted by ブクログ
もっとも優れた銀獣を連れてきたものに財産を譲るというお話の「銀獣の集い」
故郷で罪を犯したヨキが孤島の灯台守として過ごすお話の「咎人の灯台」
黄金館で母親と暮らすキアのお話の「茨館の子供達達」
少し不気味な世界観にも、生き生きとした人間そのものが描かれ、気づけば物語の世界に入ってしまう。
挿絵の秀逸さもまた、それに拍車をかけている。
どれもその後どうなったか気になる〜。
Posted by ブクログ
3編収録されてました。
どれも満足です。上質なファンタジーでした。ダークファンタジーというより仄暗いファンタジーだと思いました。
表題にもなってる「銀獣の集い」あらすじにある通り富豪の老人が銀獣を1年育てて最も優れた銀獣を育てられた人に自分の遺産を渡すという。
選ばれたのは、24、5歳:野心家な男性。16歳:親の束縛が激しく大人しい女の子。43歳:奥さんもいるし、仕事も成功してる自立したちゃんとした大人の男性。20歳:何をやっても長続きしない伯爵家の息子。
28歳:一見美人でいい人そうだけど、中身は腐ってる。本人も自覚してる女性。の5人
どの人のエピソードも面白かったです。あと幻獣に名前を付けるんですが、ネーミングセンスがいい。私もそのセンス欲しい。。
「咎人の灯台」
自分を咎人にした女性に復讐を誓う青年の話
罪を犯した人が灯台守を5年勤めれば許されるといった内容。
無人島でかつ一人で勤めないといけないので、みんな精神を病んで死んでしまうらしい。ある事件が起きて10歳くらいの女子が無人島に漂着します。
私はハッピーエンドだと思ってます。
「茨館の子供達」
一番好き。
ある館に母娘が住んでます。他には誰もいません。母親は夜しか現れません。昼は地下室にいます。いうこと聞いてれば優しいお母さんです。娘は11歳。昼間は一人で館やお庭で遊んでます。お庭にはいつも美味しい果物がなっています。朝起きると毎回違う果物がなっています。敷地内に出ることは許されてません。日が暮れると館の扉や窓に鎧戸が下りるのでそれまでに館の中に戻らないといけません。夜はお母さんに昼間何をしていたかを話して寝ます。夜起きていてはいけません。ある日の昼ビー玉で遊んでいると床板の下に自分じゃない子供が書いた絵が見つかります。そのことはお母さんには話しませんでした。そして、その夜女の子が出て来る夢を見ます。
序盤はこんな感じです。
いい感じにダークです。
最後、女の子はあの状態で今後生きてくのかと思うとそれはそれで心配。
Posted by ブクログ
面白かったなぁ。本当に廣嶋玲子先生の本面白い。
人間の心のキワキワを、よくもこんなに描けるものだなぁと思う。作家さんて本当にすごいなぁ。
最初の銀獣の話のオチが良かったなぁ。石渡征山がすごい強者すぎた。全部仕込みかよーーー!笑
灯台守の話は1番愛を感じられるから好きだったな。
魔女の話も面白かったなーーー。なんか青ひげを思い出す怖さと不気味さだった。
8人合体した人格ってどんなだろ。なんか強そうで楽しそうだけどやかましいのかな。
Posted by ブクログ
・銀獣の集い
輝久さんの奥さんはただただ悲しい。
何も知らない強欲な照子さんのせいだと思うと余計に悲しい。
千秋さんはただ良かったねと思う。
それが征山と銀獣屋の思惑通りだったとしても願ってたものが手に入っのだから。
・茨館の子供達
悲しいなあ。せめて大人になったら旅立ちだと言って逃がしてくれたら良かったのに。
Posted by ブクログ
とても幻想的で不思議な3つの物語
グリム童話のように、心惹かれてゾクッとする
表題作の銀獣の集い、石から生まれる半人半獣の生き物を育てる
優れた銀獣を育てた者に、全財産が渡る
選ばれたのは5人の男女
己の野心に身を滅ぼしたり、愛おしい者の影を追ったり
はたまた、銀中の生まれた世界に魅了されたり
世界観がとても好き!
そしてラストの答え合わせでは……人間怖!ってなるダークなファンタジー
咎人の灯台
咎をおった若者は、5年間灯台を灯す刑を科される
罪にくれ、過去に囚われ、生きていく
そこへ流れ着く少女
終わりはバッドエンドではなくて、未来へ続くような物語
茨館の子供達
茨の壁に囲まれた館に住む1人の少女と1人の母親
ある日少女は隠された絵を見つけてから館の真実を知る
そこで出会う、他の少女たち
ほの暗く少し怖く、そして冒険劇のようにドキドキする
3つの中で1番好きかもしれない
銀獣を巡る人の醜さや脆さ、咎人の憎悪と愛情、閉鎖空間からの子供達の脱出
どの物語も自分の好みすぎて凄く読み応えあった!
Posted by ブクログ
ファンタジーでとても面白かった。
全体的によかったです。
冒険ものというわけではないですが、ワクワクさせられてあっという間に読むことができました(^-^)
Posted by ブクログ
本屋さんで表紙買いしました。
銀獣の集い、咎人の灯台、茨館の子供達の3つの短編からなる短編集。
失礼ながら著者の作品を読んだのはこれが初めてでしたが、大変な興奮を覚えました。
銀獣の集いはハナからダークを匂わせるような雰囲気。文子が銀獣を自分のものにするところから、照子の銀獣の万禍の描写など、最後に向かって読み進める事が止められませんでした。
咎人の灯台は小さなヒナが現れてからがおもしろい。
茨館の子供達はだんだんとキアが集まり、地下室へ忍び込み、始まりを見て逃げ出す所はハラハラドキドキの展開。
3作品とも続きがあるのなら読みたい、またその後を想像してしまうような余韻を残す素晴らしい作品でした。
Posted by ブクログ
表題作を含む3作
これぞという作品ばかり
もったいない、読んじゃった
人間のダークな面があるからこそ、そこに点る一筋の光が闇を照らし世界を広げる
ああ、もっと読みたい
Posted by ブクログ
やはり一般向けというだけあって、『銭天堂』や『十年屋』など、廣嶋さんの児童書と比べると、毒が強い感じがしました。人間味がある内容で、最後までワクワクドキドキしながら読みました。
Posted by ブクログ
わりと、人間の昏い部分がフューチャーされた作品でした。著者は 児童書でも 一癖ある人物を描く人だし、東京創元社も、乾石智子さん著・夜の写本師など、イメージが重なります。
二話目『咎人の灯台』が好きです。
Posted by ブクログ
きっと大人も子供も楽しめると思えた、とても重厚なファンタジー短篇集だった。全体的に仄暗く、シビアで、でも救いと夢がある。
ただただ、あぁやっぱり廣島さんは好きだなぁと思った。
どの話もすきだったけど、灯台の咎人はなんかすごく雰囲気が好きだったなぁ。表題作は幻想的で、それがこの物語のドロっとした感じとすごく魅力的だった。最後のも好き。全部か。