あらすじ
教科書問題をライフワークとする著者が戦後の教科書運動の足跡をたどる。国による検定や教科書への「偏向」攻撃とそれへの反撃、教育基本法改悪など諸問題を扱う。
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Posted by ブクログ
ほぼ教科書裁判の記録である。教科書裁判自体は判決なども難しいので、これを読むことでどのように教科書裁判が行われてきたのかがよくわかる。
それだけではなく、政府が教科書を検定の名のもとに、恣意的に決めるので、その不当性を裁判で明らかにするという図式は変わらない。
教科書問題を扱う場合には基本書となる。
Posted by ブクログ
高橋新書ガイドから。何よりまず、やっぱり新書でこの分量は萎える。コンパクトに読めるってことも大きなメリットなのではないか、と。それはさておき、内容は至極もっとも。教科書が教育に導入されるようになって以降、戦前の最悪期に至るまではともかくとして、戦後に至っても、常にある一定以上の国粋主義勢力が存在し続けるという事実。まだ記憶も新しいその頃から、連綿と受け継がれる歴史主義の姿勢に寒気がする。時代の鏡ともいえる教科書の、特にその検定の変遷を見るにつけ、政調と軌を一にする有りようがまざまざと浮かび上がる。大学、裁判、教科書の新書を並行して読んでいたんだけど、共通して炙り出されるのは、安倍以降加速され続ける戦前回帰の風潮。識者の手になる各書では、揃って否定的見解が開陳されるのに、勢いづいた悪い空気感は易々とは払拭されない。考え続けないと。