あらすじ
「仕事が欲しいならヤラせろよ」取引先の御曹司に押し倒された春。冷たい視線で見下ろす暁は、実は十年ぶりに会う初恋の人。思い出すのは駆け落ちの約束を守れなかった苦い記憶。けれど愛おしそうに春の名を呼ぶ声、優しいキスと愛撫に喜びが込み上げる。肉棒に穿たれれば全身が熱く蕩けて……。「今度こそ俺のものにしたい」止まっていた想いが動き出す甘く切ない恋物語!
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まるで映画を観ている様なお話
TL小説と言うより、一本の恋愛映画を観ているようで、その世界観に引き込まれて何も出来ずに一気に読んでしまいました。
二人の環境の変化と成長を描き、10年前では無理だった2人でも、10年経った今では自由。10年前から恋をしたのはたった一人にだけと言うより、切なく抗えなく、読んでいて自然と涙が溢れるシーンもありました。
素敵なお話で買って良かったと思いました。
すごく綺麗で切なくて映画のようなお話でした。
新海誠作品のような思春期のヒリヒリと切なさと美しさがあって頭の中でRADWIMPS流れてました。春ちゃんにものすごい感情移入してしまって泣けました。もうすぐ漫画版も出るようなので絶対購入します!
しみじみと
こじらせた思春期が、きちんと完結できた!
一番良いカタチで。
せつなくて辛くて、と本人達は思っていたのか?いなかったのか?
でも、必要な時間、年月もあるね。
とオトナになった現在だからこそ、改めて思います。
なんか…、いい!
10年経ったけど、再会できてホントに良かったね…涙、という感想でした。どなたかも書いてらしたかと思うのですが、これ、再会できなかったらどうなっていたのだろうと思うくらい、偶然に再会出来ていたと思うので、あの時出会えて本当に良かった!という感じです…(同じ事書きすぎ…笑)いいお話でした!そして、挿絵が良い!色々読んだ中で一番素敵だったかもしれません、それくらいストーリーも絵も感動しました!
Posted by ブクログ
駆け落ちというのは結婚の約束でもしてと思っていたら、10代の頃の現状からの脱出という意味での駆け落ちだったか。
二人とも生活環境は違っていたけれど、自分を押し殺していたところはあまりにも似すぎていた。
そして、互いが素の自分を見せることができていたところも。
理解し合える同士として惹かれ合うのは自然なことで、10代らしく暴走するのも自然なこと。
そして、こういう時に何処までも突っ走ってしまうのが男の子で、現実が見えてしまうのが女の子。
これもまた、自然の摂理なのかもしれない。
互いに互いの初恋を引きずって10年。
大人にはなったけれど、内面はまだあの頃の10代のまま。
本当は互いに取り繕う必要のない仲だったのに、大人になったせいか、10年前の件を引きずっているせいか、逆にお互いが見えなくなっているのが辛かった。
彼女は彼女で負い目があるし。
彼は彼で今の立場のこともあるし、10年前のように想いだけで突っ走れる状態ではなくなってしまった。
お互いこれが最後だから、最後だからと言い聞かせるものの、そして別れるものの、結ばれるべき相手とはどうあがいても縁は繋がってしまうもの。
何だかんだと鉢合わせすることに。
途中までは本当にただ鉢合わせ。
ただ最後は彼女から彼にコンタクトを取った。
二人を繋いでくれた祖父が危なくなったから。
二人と、そして祖父の共通の思い出であるある映画を通じての場面は本当に泣けた。
そして、そこから再生の物語が始まる。
彼女が何故あの時の駆け落ちできなかったのか。
真実が見えた今、大人になった今、もう二人の素直な思いを妨げるものはなかった。
回り道したからこそやっと手を取り合えた二人。
きっと今度は間違えない。
きっと、きっと。
「恋をしたのは一度だけ」というのが、また堪らないなと、読み終えてから表紙を見返してしみじみと思った。
10代の時から本物の恋だった。
だからまた巡り会えたし、やり直せたのだろう。
そんな恋をできた二人を羨ましく思う。
周りの人間はあまりいいやつらじゃなかったけど……(祖父はいい人だが、ダメ人間多い……)