【感想・ネタバレ】本当は危ない国産食品―「食」が「病」を引き起こす―(新潮新書)のレビュー

あらすじ

「国産食品だから安心、安全」というのは噓(ウソ)である。実は日本では一部の農薬の規制が世界的に見ても緩(ゆる)い。それらが残留した日本茶、野菜、果物、コメ、パン、パスタなどを私たちは日常、口にしているのだ。研究者たちが指摘するのは、肥満、アレルギーのみならず、脳の萎縮(いしゅく)、自律神経の失調、神経伝達の異常、発達障害など、数々の重大なリスクである。最新の科学データと緻密(ちみつ)な取材をもとに、大宅賞作家が警鐘を鳴らす問題作。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

私は堤未果さんの本を読み、国の基準を信用する危うさを知った。
日本人は、国の基準がー、WHOがー、IAEAがー、国連がー、大学教授がー等、言う事を何も考えずにを鵜呑みにしすぎである。
国が定めている基準というものは、どれだけ他国の干渉を受け、金、権力の影響を受けているかを知るべきである。

0
2023年10月11日

Posted by ブクログ

(本から)
いまの農薬の特徴は浸透性

ビニールが柔らかいのは可塑剤を混ぜているから
劣化すると、可塑剤がパラパラと落ちてきます。
作物は根っこからこれを吸収。この可塑剤が今、内分泌撹乱物質(ホルモン作用を撹乱する物質で環境ホルモンともいう)として問題になっている

「残念なことに、日本のお茶からは100%、ネオニコチノイド系農薬が出ました」

ネオニコは、昆虫のアセチルコリン受容体にくっついて神経を興奮させ続けることで殺す仕組み

農薬の成分が全国の河川からも検出されることは、専門家にとっては常識でも、国民のほとんどは知らない。

脳細胞が”発火”する
環境脳神経科学情報センターの木村ー黒田純子
「ネオニコチノイド系農薬にはヒトの健康を害し、特に子ども達の脳の発達に影響する可能性がある」
一ニ年にアメリカ小児学会が「子供に対する農薬の暴露が、発達障害や脳腫瘍などを引き起こしやすくする」と警告

家庭にあふれるネオニコ系農薬

ネオニコの昆虫への毒性は、かつて問題になったDDTより「はるかに強い」と言われる。ただ、出荷量からすれば有機リン系の三倍以上も出荷されているのが「グリホサート」で、近年、複合毒性が明らかになってきた農薬である。
 これは、ベトナム戦争で使われた枯葉剤を作った、かつての世界最大バイテク企業モンサント(現在は買収されて、ドイツのバイエル傘下)が開発した除草剤「ラウンドアップ」の主成分だ。
ラウンドアップは非常に強力な除草剤で、雑草だけでなく、あらゆる農作物を無差別に枯らす猛毒である。そこで、モンサントは、この農薬に耐性を持つバクテリアの遺伝子を大豆などの種子に組み込んだ。そうすれば、ラウンドアップを空から撒くと雑草が消えて、耐性のある遺伝子を組み込んだ大豆だけが残るというわけだ。

川田氏
「信じられないかもしれませんが、収穫前にラウンドアップを撒いて小麦を枯らすんです。それから収穫すると、自然に枯れるのを待つよりも効率がよくて収量がいいんですね。この方法を、収穫した後に防虫や防カビのために農薬を撒くポストハーベストに対して、プレハーベストと言いますが、カナダ産やアメリカ産の小麦のほぼ全てからグリホサートが出ます」

提出されたモンサントの”機密書類”
「ラウンドアップを開発した責任者が『グリホサートとラウンドアップを同じ意味で使用してはいけません。例えば、ラウンドアップは発がん物質ではないと言ってはいけない。だから、グリホサートを使った除草剤全てにラウンドアップの商品名を使用することはできません。必要な試験を行っていません』」

ラウンドアップは、ネオニコと同じで、洗っても取れない。葉っぱから吸収されて、植物の全身に浸透していくからだ。

グリホサートを含む除草剤は、「脅威の除草力」などといったキャッチフレーズで、今もホームセンターやネットショップで売られていて、農家でない人たちが、道路や駐車場、学校のグラウンドなどに平気で使っている。やがて、恐ろしい病に見舞われるかもしれないとも知らずに・・・・・・。

グリホサートにはホルモンのように働く環境ホルモン作用も報告されており、これはネオニコともよく似ているが、それ以外に、薬剤耐性菌を作り出すことが分かっているという。

残留農薬の汚染が多い野菜・果物
1イチゴ   2ホウレンソウ  3ネクタリン 
4リンゴ   5ブドウ     6モモ
7サクランボ 8洋ナシ 9トマト 10セロリ

残留農薬の汚染が少ない野菜・果物
1アボガド  2スイートコーン  3パイナップル4キャベツ  5タマネギ  
6グリーンピース(冷凍)  7パパイヤ
8アスパラガス 9マンゴー  10ナス

五日間の有機野菜で体内の農薬半減

0
2022年12月05日

Posted by ブクログ

日本の農薬の基準が緩すぎるため、「危ない国産食品」というタイトルになっているが、本書後半でも述べられているが、やはり統計的には輸入品よりも国産の方が危険度は少ないと思われる。

何よりも、消費者が良いものを選ぶことが大事。
医療費ことを考えれば、無農薬食品の方が、トータルメリットであると思う。

0
2021年08月24日

Posted by ブクログ

なぜこれがまかり通るのか?
水溶性で農作物に吸収されてしまう農薬。その規制値を引き上げた(緩和した)のは何故?

農薬ラウンドアップが小麦のプレハーベストに使われて残留し、小麦粉に入り込む。主成分のグリホサートが界面活性剤と結びつき、体内に接種される場合、相乗効果は不明。小麦粉に残留農薬が入っている以上、パンやパスタからも農薬を摂取することになる。それが蓄積したら。妊娠を通じ胎児にも入り込むことがわかっている。また、マウス実験では隔世で遺伝子が傷つくことがわかっているがそれが人間で起きたら?

週刊新潮に短期連載されたショッキングな記事を元にまとめられた一書。

自らの身は自らが守らなければならないが、でもどうやって?

0
2021年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本来、自然界に冬のイチゴは存在しない。季節に逆らって加温しながら育てるから、植物にとってはストレス。病気にかかりやすくなるから、農薬をたくさん使う。

今の農薬の特徴は浸透性。内部に農薬が浸透している。

ビニールハウスの劣化した部分が落ちてきて作物が吸収する。

農薬の毒性があらわれるのは、10年先、20年先、半世紀も先。症状としてあらわれても、長い時間が経っているため、本当に農薬が原因かどうか調べようがない。

スーパーの都合で陳列棚に並べやすいサイズの野菜が作られるようになった。均質で傷がなく、きれいな野菜こそ高級品という価値観。

ネオニコチノイドは270度以上で分解されるため、焙煎が行われる麦茶やウーロン茶からはあまり検出されなかった。

露地栽培よりもハウス栽培の方がネオニコチノイドの検出率が高い。検出されなかったのは人参、蓮根、ブロッコリー、アスパラガス、スイカ

ネオニコチノイド
・水に溶けやすい→植物全体に浸透
・油に溶けやすい→細胞膜(脂質)を通り抜ける
・熱に強い
・血液中に分解する酵素がない
・洗っても落ちない

フィプロニル
・ペットのノミやダニの駆除剤に含まれる、ネオニコチノイド系農薬と同じ浸透性の殺虫剤。
・EUでは禁止され、市場から消えた。
・日本では農薬としてコメやキャベツに使われ、殺虫剤としてゴキブリ駆除剤
ペットの首筋に一滴たらすと、垂らした皮膚からフィプロニルが全身をめぐり、ノミやダニがその血を吸って死ぬ。

日本人は常に農薬を食べている

農薬や化学肥料をたっぷり使った、土壌から生まれた工業製品

かつて露地で栽培されるイチゴの旬は4月~6月だった。クリスマスに合わせて冬に旬をずらしたために、ビニールハウスでの栽培が行われるように。

ネオニコチノイド系農薬の毒性は強く、土壌中の残留時間が長いため、簡単に減農薬栽培が可能。減農薬栽培は安全とは言えない。

ネオニコチノイド系農薬は雨によって河川に流れ込む。ネオニコチノイドは分子量が小さいため、通常の浄水場で除去することはできない。それらが水道水に含まれる。

小麦は収穫直前にラウンドアップを撒いて枯らす。プレハーベスト。

0
2021年11月05日

Posted by ブクログ

国産だから安全ではない。農薬、除草剤などが肥満、アレルギー、発達障害の原因となるという。あまりに低い日本の安全基準に警鐘を鳴らす。

何を選んで食べたらいいのか分からなくなる。有機野菜なら安全なようだが、それもほんとうなのだろうか。

0
2021年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

農薬(ネオニコチノイド系)が、アレルギー疾患、生殖、肥満、発達障害と相関がある。日本での農薬の基準値は諸外国と比べて相当高い。世代も越えていくという。驚愕の情報だ。

0
2021年04月19日

Posted by ブクログ

日本がいかに農薬王国か、それに対していかに国民が無知かよく分かった一冊。しかしそれに対してどう対処したら良いかの考察が驚くほど無かった。
怖がらせるだけ怖がらして後は自分で考えろということ?
それとも対策は無いということ?

0
2021年12月29日

Posted by ブクログ

規制の緩い日本では、世界で使われていない一部の農薬が使われることにより、その農薬が残留した日本茶や野菜、米、パンなどの危険性及び、それを食べることによる弊害について解説された一冊。水で洗ってもほとんど取れない野菜(食品の内部に侵食している為)など、危険な農薬が普通に使われている事実がエビデンスとともに紹介しており、読むと有機野菜しか食べたくなくなる…。諸外国と比べて農薬規制がいろいろと緩めなのは、政治的な闇が関係してそう。

0
2021年05月12日

「社会・政治」ランキング