あらすじ
ある夜、動物園からレッサーパンダが盗まれた!捜査にあたるのは、警視庁で生き物の密輸や違法売買を扱う「生きもの係」の福原警部。自然を深く愛する福原警部が出会った数々の事件を通し、人と生き物との付き合い方についても考えられるノンフィクション。
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Posted by ブクログ
学研の環境ノンフィクションです。
題名、表紙の絵、内容、小学生も大人も興味を持ちますよね。総ルビなので低学年でも読めるかな。
警視庁の生活環境課第三係、そこは生き物の密輸や違法売買を扱うので「生きもの係」と呼ばれていた。本書では所属の福原警部が担当した事件が書かれます。
取り上げられる事件や盗難方法もびっくりするものばかり。
動物園や研究所からレッサーパンダや希少な亀が盗まれた!鉄格子が外されたこともある、犯人は怪力男!?
運び屋がスローロリスを密輸した。生きもの密輸ではどのようにして運ぶ?
奄美大島から天然記念物の生き物がたくさん持ち出された!
犯人像も様々です。
「生きもの係」ができたのが2002年、まだまだ動物の違法売買への認識が緩かったころです。
「動物捕まえて売ったら金儲けになったからやっただけ。警察が来るほどのこと?」という軽い気持ち。
海外から持ち込みが禁止されていない動物のなかに、禁止されている動物を混ぜる場合、どれがどれかわからなくさせるために学名であるラテン語でリストを作って捜査官を撹乱させようとした犯人。
「希少動物が高く売れると聞いて、密輸してみたんだけど、日本に持ち込んだこの動物をどうやって売ればいいんだろう?」のような見通しの浅さ。
かと思えば「違法と知っているが、本当にこの動物が大好きなので準備万端整えてお迎えしました」という、違法なんだが大事にされた動物が戻ってよかったな、というケース。
「生きもの係」のような動物に関する捜査内容が公表されることにより、人々に「この生きものを売買してはいけない」「生きものは大切にしよう」「生きものを生態系から勝手に持ち出してはいけない」ことが広める役にもたちますよね。
そして盗まれた生きものが保護されたとしても、病気になっていたりすると、元々の環境にはもう戻せないこともあります。動物でも植物でも、そこから持ち出したけど、別の所に放したからいいだろ、とはなりません。
福原警部がなぜ動物専門捜査担当になったのかも書かれますが、ここでは事件捜査のことだけでなく、福原警部が「生態系を崩すと我々の生活にも影響が出てしまうんだよ」ということが児童にもわかりやすく語られています。
生き物を守る法律や、保護された生き物たちがその後どうなるか(元の環境に戻せないこともある)、警察官の階級などのコラムも充実しています。
児童向けノンフィクションは、知らないことをわかりやすく知ることができる、自分に何ができるか考える事ができるということで、良書がたくさんあります。こちらもとても良い本ですでした。
Posted by ブクログ
生きもの大好き長男が好きな本。生きものを大事にして!って思ったそうだ。そして生きものを盗まないで!お願いします。この刑事さんが凄すぎるのだそうだ。そしてすごくいい人だそうだ。気に入って何度も読んでいる。「僕だったら絶対に生きものにはやさしくする。でもげっ歯類は実はちょっと苦手。」そうだったのか…衝撃の告白…
Posted by ブクログ
生きものたちを、密輸したり盗んで売ったりする人たちを警察がつかまえるお話で、すごくおもしろいけど、悪人たちがいやだなと思いながら読んだ。
人間の勝手で振り回される動物が、かわいそう。
福原刑事がかっこいい。銃を持っているかもしれない人に勇かんに立ち向かうし、あきらめない。動物が好きなのは、ぼくと一緒だなって思った。
刑事に協力している人たちも、優しいし、動物が好きだし、かっこいい。こういうふうにそうさをしているというのは知らなかったけど、動物が助かってよかった。
最初に写真がたくさんあって、どれもかわいい。(小5)
Posted by ブクログ
福原警部は警視庁で生き物の密輸や違法売買を扱う「生きもの係」。自然を深く愛する福原警部が出会った数々の事件を通し、人と生き物との付き合い方についても考えられるノンフィクション。
希少動物の違法の捕獲や売買をする犯罪者達のみならず、多くの事件等を抱える警察自体にも軽んじられていた生き物に関する犯罪の重要さを世に知らしめたのは福原警部の努力の賜物。
希少動物達を大切にせず、金儲け等しか考えないもの達の犯罪は生態系、環境に影響を及ぼしてしまうという言葉は重い。
ミステリー小説のようで読みやすくて面白く、子どもにも大人にもオススメです。
Posted by ブクログ
驚くほど多く日本に密輸される海外の動物たち。警視庁「生き物係」は動物に関する事件を取り扱う部署です。最初のエピソードは、動物園から次々と貴重な動物が盗まれるという前代未聞の事件です。また、海外からの密輸のほか、奄美の固有種を持ち出そうとしたり、インターネットで販売したり、違法行為は後を絶ちません。地道な捜査と市民の協力で少しずつ希少動物の保護に対する認知度が上がってきました。
Posted by ブクログ
他人とは違う生き物を飼いたいって
思わないし優越感に浸りたいなんて思わない
自分だったら飼い方分かんなくて死なせしまいそうだから絶対いや
たかが生き物って思っちゃダメ
きつきつのズボンに生き物いれるの可哀想すぎる
種のバランスを崩さないために
私たちの身近な動植物を大切にしていかなければならないと思った