あらすじ
日本の言論はなぜ分断したのか
◎北京の特等席に座り続ける新聞と追放された新聞
◎「あえて書かない」新聞と言論裁判に苦しめられた新聞
◎GHQに屈した新聞とGHQと闘った新聞
◎護憲しか考えてはいけない新聞と改憲に理想を求める新聞
◎戦前から大東亜共栄圏を理想とする新聞と脱亜入欧を訴える新聞
◎平和だけを目的とした新聞と平和の維持を考える新聞
◎日本を敵視する国から「友好的」と褒められる新聞と「極右」と蔑まれる新聞
だから我々はGHQ、中国共産党、日本共産党、青瓦台、金政権、
そして朝日新聞と闘った!
「極左も極右も排す」真の自由主義を説いた戦前の思想家、河合栄治郎。
「強い日本」づくりを目指した明治の思想家、福澤諭吉。
産経新聞に2人の遺志が脈々と受け継がれていることは意外に知られていない。
一つの言論しか許されない社会は独裁社会であり、暗黒社会である。
産経の存在と主張、さらに言えばその魂をもっと広く知ってほしい。
本書は戦後マスコミ界の裏面史である!
《おもな内容》
第一章 二つの「中国」に向き合う
第二章 言論裁判に勝つ
第三章 福澤諭吉と河合栄治郎
第四章 司馬遼太郎の遺言
第五章 朝日が目指す「大東亜共栄圏」
第六章 追い込まれるメディア
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Posted by ブクログ
子どもの頃、親は産経新聞を購読していました。販売店の事情で、産経新聞を取れなくなることになり、親がとてもガッカリして他紙を選んでいたことを思い出します。
子どもでしたが、産経新聞は自由な、明るい新聞のように感じていました。
本書は、著者が産経新聞出身の方なので、産経新聞の源流や社内のエピソードが詳しく書かれていてとても興味深かったです。
新聞社による論調の違いは、よく言われていることですが、本書を読み、その背景から理解することができて有益でした。
Posted by ブクログ
題名から、おそらくは朝日新聞を否定した内容なのでは…と思ったのですが、帯を見て興味を持ち、購入しました。
読んでみての率直な感想は『難しかったが、面白かった』です。新聞記事を書き続けてきた人は、表現論法の言葉は、私のような凡人には難しさが多々感じる事がありました。しかし、それ以上に本の内容の面白さが大変勝りました。ほぼ一気読みです。こんなに一気読みした本って本当に久しぶりです。
よかった点は、著者の吉田信行氏の目線で書かれていた事です。決して朝日新聞を貶してるだけの本ではありません。また、産経がどんな大手新聞社より優っているというような、自慢している本でもありません。
吉田氏による、様々な時代背景による、感性や持論が含まれており、またその時に活躍されていた人物像を見事に表現してくれています。それにより、私は河合栄治郎という人物は知らなかったのですが、こんな偉大なる人が日本にいて、国民の為に軍隊と戦ってくれていたんだな!と知る事は、私にって大きな修得と言えます。
先述したように、難しい言葉も多々出てきますが、それを十分内容がカバーしてくれると感じてもらえるはずです。
追記…星一つ少ないのは、もっとわかりやすい言葉・文法で書いてほしかったことを意味して…