あらすじ
この世に生まれ出た人間に、必ず訪れる「死」。人は誰でもそのことを知っているはずなのに、ほとんどの人は、「まだ大丈夫」「自分にはまだ来ない」と思って生きているのではないでしょうか。しかし、コロナ禍のいま、まだ元気だった人のあっけない死や自死のニュースを耳にして、誰もが死を身近に感じたはずです。本書は、悩みを抱えた人からの相談や特に死が近づいた人の看取りとその家族の心に寄り添い、祈ることに長年、力を注いできた聖心会シスターが、「生きているあいだに、本当に大切にすべきことは何か」を、これまでの貴重な体験をもとに語ったものです。死ぬときになって後悔しないように、思い込みから閉ざしていた心を開くこと、当たり前と思っていたことのかけがえのなさに気づくこと、いま生かされていることに感謝することなどに思い至らせてくれます。何気ない毎日をもっと幸せに生きられる秘訣を教えてくれる、人生の必読書です。
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Posted by ブクログ
シスターが書かれた本。生きていることも、当たり前のように思っていることも、当たり前ではないと言うこと。悪いことも全てにおいて意味があること。心持ちのあり方や当たり前だと思っている幸せを感じながら生きていくことについて、優しい言葉で書かれている。すべてを受容し、懸命に生きることの大切さが書かれていた。
Posted by ブクログ
眠りに入るのは、死ぬときの準備でもある。最期のときは、できれば、家族やおせわになった方々に感謝し、よい思い出に浸りながら、幸せな気持ちで死を迎えたいと思っているはず。毎日の眠りはその訓練。一日の出来事を思い起こしながら、自分をねぎらい、一つひとつに感謝してください。たくさんの感謝をしていると、そのうちいつのまにか眠りに落ちています。それがあなたの幸せにつながり、よい死を迎える準備となるのです。
2014年3月11日、鎮魂と復興の祈りを込めて創作された『聖パウロの回心』という能が上映された。台本執筆は、作家で国文学者の林 望先生。
生きる希望を失ってつらい毎日を過ごしたり、自分には生きる価値がないた悩み深く生きていることがないだろうか。そんなとき、パウロを思い出してほしい。自分を正当化して他者を見下すのではなく、自分を卑下して絶望の淵に沈むのでもなく、いたここに命を与えられていることに目を向ける。いま生きているということ、神の命とつながって生かされているんだと思い起こすこと。それか私たちにとっての「回心」なのである。私たちは、日々小さな回心を積み重ねて生きることで、少しずつ成長していけるのではないか。