あらすじ
病床で「白浜温泉に行きたい」と望んだ余命一年の女が、その二日後に殺された。十津川は小説家志望で無職の息子・雄介に疑いの目を向ける。一方、雄介は母の言葉が気になり南紀白浜に向かうが、乗車した特急〈くろしお〉が爆破されてしまう。雄介を尾行していた三田村刑事と北条早苗から報告を受けた十津川は、ある推理を胸に南紀へ飛んだ。東京の殺人事件と白浜の爆破事件――二つを結ぶのは、三十年前のあの夏の日……。
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Posted by ブクログ
○不思議な殺人事件の裏には南紀の美女
居酒屋を経営していた美由紀が突然ガンで倒れ、息子の雄介は孝行しようと美由紀に尋ねると「南紀白浜に行きたい」と答えた。答えた直後、何者かに病院で殺されてしまった。なぜもうすぐ死んでしまうにも関わらず殺されなければなかったのか?雄介にもわからなかったが、警察もただただ雄介を疑うしかなかった。
雄介は途中放火されたり何者かに脅されたりして南紀白浜に行ってはならないという意思を感じるが、意を決して行って調べ始めた。すると少しずつ事態は動きだし、情報提供者が現れ、誘われるまま特急くろしお号に乗車する。
しかし乗車して手紙を渡された直後、尾行していた刑事から避難するように言われ避難すると、座席が爆発してしまった!やはり雄介は狙われていたのだ。
美由紀の殺害も不思議、雄介が放火されるのに前後し疾走する幸子さんも不思議、そして何者かに言われる「南紀白浜に行くな」のメッセージ。
結局南紀白浜に何かある、ということになるのだが、雄介はもう少し早めに警察に言ってもよかったのでは。ただ雄介も記憶を探るのに時間がかかり、何より母親のことだから自分で何とかしたい、と思ったに違いない。