あらすじ
「僕は悪くない……」中学教諭の竹林は、死体を前に呟いた。スナックのホステス桃華を取り合って、他の客ともめたのがすべての始まりだった。自宅に押しかけてきたその男を、はずみで殺してしまったのだ。さらに、発覚を防ぐため、超身勝手な論理で次々と殺人を重ねてゆく彼にふりかかる運命とは!? 狂気と黒い笑いに満ちた、戦慄のノンストップ・サスペンス!
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Posted by ブクログ
評価低いみたいだが、私はものすごーーーく面白かった。行き当たりばったりで、だってその人を殺してしまったら絶対に自分に疑いが向くよねっていう人まで手にかける感じが、狂ってる。そこが良かった。間違って命を奪ってしまったのが重なって行くような、嘘をつき通すために次々と雪だるまのように嘘を重ねるような。
この主人公の、人のせいにする性格、こういう人会ったことあったなぁって思い出した。
人のせいにするのは勝手なんだけど、そこで終わってしまうから、成長しないんだよね。モラハラの人によくある行動で、全部自分以外のせいにする、俺を怒らせるな!などと言う。責任を転嫁しても事実は変わらない。そう言う類の性格の人についてものすごく勉強して書かれてるんじゃないかなって思った。他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
食い気味で読み終えた身として、この作品が低評価になる理由は理解できるが、私は好き。
消して目立つ存在ではない竹林先生。恋人関係(と思っているだけなのか純愛なのか)のクラブのホステスが店内にて下品な男に絡まれてしまう。柄にも無くつっかかり順調にトラブル発生。
その場を逃れるも店のマスターに住所を告げ口され自宅にまで押し入ってきた恋敵とやんややんや格闘し、あっさり殺害。
そして自分を正当化する行為が連鎖連鎖の大盤振る舞い見事なる連続殺人鬼となるお話だ。
そもそも男がハニーに絡まなければ、
そもそもマスターが男に住所を教えなければ、
そもそも...そもそも...僕は悪くない...
と、どの殺人にも彼のそもそも論がこれでもかと繰り広げられ、ワクワクしながら先生のこじつけ発言が出るのを期待待ちしている自分がいた。
そんな人のせいにするマンの先生はその性格が故に妻と愛犬に家を出ていかれている。
「彼女は少し自分勝手だがそれを受け止めてた僕はいい夫だったなのに何故」と、また読者(特に女性)をイライラのその先へ連れて行く正にイラ神だ。最早尊さを感じる。
同作者「殺し合う家族」の様なシリアスな雰囲気を想像していたものの、絶妙なタイミングでトラブルに見舞われ窮地に陥り、それを回避する行動が次の窮地を生み出すエンドレスなざまぁみろ展開がもぅクセになる。俗悪の衣を羽織り、エンタメ思考に切り替えられれば楽しい作品だと思う。
彼の過去や家族の話は薄いとは言えしっかりと伏線となっているし、違う方向だが期待値は確実に飛び越えてくれた。
着地点はベタベタだったが、この暴れ狂う作品をどう落ち着かせるといったらもうこれしか無いだろう。馬は馬小屋ゴキはホイホイだ(THE エゴイズム)
薄い作品なので勿論読んでもらうのが1番だが、作品をオススメするというより、ネタバレありきの小話要因として役立ちそうだ。
時間があれば読んでみるか..と出逢ってしまった人の為にお伝えしておきますが、グロさは控えめとは言え描写はしっかりしています。作者様の力量です。エンタメ×グロにテンションが狂わされるので重装とはいきませんが軽装、回復薬数個持っての出陣をオススメ致します。防御大事。
Posted by ブクログ
戦慄のノンストップ・サスペンス!
逃げるために嘘を重ね、
平気で殺人をも踏み超える主人公
転がり落ちるように展開が進むため、
ノンストップの醍醐味を十二分に味わえる。
主人公の休憩タイムが同時に私の休憩タイムでした
まったく現実的ではないものの
フィクション的には完成度が高い
タイトルが素敵
また読みたい
Posted by ブクログ
主人公の思考回路が信じられない位破綻してるのに、ラストで何故か憐れな感じで憎めなくなってしまった…!謎の切なさを抱えて混乱してるのは、自分だけですか…?
Posted by ブクログ
緻密な計算の元、完全犯罪を成し遂げるような犯人が登場する推理小説が多い中、非常にずさんでボロだしまくりの殺人を続ける男が主人公。
実際の犯罪って、こんな感じでどんどんエスカレートしていくんだろうなぁと、妙なリアルさがある。この男の滅び行く様が気になって、読み続けてしまう。