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Posted by ブクログ 2023年09月27日
藝大 × 仏像
なかなか面白い小説だった。かなりのリサーチをした上で書かれているのでリアリティがある。
この流れで運慶についていろいろと調べたくなっている。笑
Posted by ブクログ 2023年09月23日
仏様鑑賞が趣味なので興味を持ち購入しました。
青春ストーリーの中に、日本の人たちの仏像に対する想いがあって、温かい気持ちで読みました。また仏像巡りに行きたくなる一冊でした。
Posted by ブクログ 2023年08月12日
青春群像劇なのだが、読んでいると仏像の知識、歴史、模刻の難しさ、現代における仏像の役割などが分かるようになっている。
仏像の解説というと仏様の紹介から入ることが多いので、こういう小説形式で別の角度から仏像を知られたのがとてもよかった。
文章も読みやすく、すっと読めた。現代の名著。
Posted by ブクログ 2023年05月19日
「何年かに一人、天才が出ればいい。あとの者はその天才の礎」という言葉が印象的でした
藝大の「芸は刈る」「藝は植える、増やす」などの部分も言葉を大切に書かれていて面白かったです
Posted by ブクログ 2022年12月27日
芸術部門の最高峰、天才達の巣窟であり仏像修理が学べる国内唯一の大学で繰り広げられる物語。
少数精鋭部隊「東京藝大 仏様研究室」。
仏像模刻に苦悩する素敵な4人の学生とそれを支える魅力たっぷりの教授達。
凄く読み応えがあり、面白かった。
出てくるキャラみんな素敵なんですが個人的には
不動明王の模刻に四...続きを読む苦八苦していた「アイリ」が格好良かったなぁー!
お笑い担当の「珍念」も最高でした。
是非、続編が出ることに期待したい。
Posted by ブクログ 2022年11月22日
フィクションと思わせないほどのストーリーのリアルさ、それは他ならぬ東京藝術大学の保存修復彫刻研究室への理解の深さから来ているものだが、それをフィクションといい具合で織りまぜるのがとても上手く、素晴らしい発想だと感じた。
元々、東京藝術大学という、「日本らしさ」を受け継いでいく大学を興味深いものと思っ...続きを読むていたが、さらに興味を増したきっかけとなる本だった。
Posted by ブクログ 2022年11月04日
ひとりひとりのエピソードに感動しつつも、一番かっこいいのは一条教授!
教授ってすごい。偉大だ。私が学生の頃も、先生はちゃんと向き合ってくれてたなぁ。今更ながら、ありがとうございますという気持ちです。
文化的知識も登場人物のバックグラウンドもしっかり伝わって、この薄い一冊できれいに終わっていることにも...続きを読む感動。
作者さんが亡くなられているのが、とても残念です。
Posted by ブクログ 2022年09月20日
思わず好みの本に出会いました。仏像そのもの、歴史、作成日技術、そして藝大にこんな研究室があるのか、という驚き、そして学生たちの青春と悩み。盛りだくさんだけど、面白く、後味爽快な一冊でした。
Posted by ブクログ 2022年08月08日
これは読んでよかった一冊。
われわれ一般人には、東京藝大自体謎の組織なのだが…
その中でも超ニッチな、仏像修復を専門とする研究室のお話。
正式名を、東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻修復彫刻研究室という。
その研究室の修士二年の四人の若者の一年が物語となる。
四人の若者がそれぞれに自分...続きを読むの進む道を見つけようともがくすがたも清々しい。
彼らを時に厳しく、時に温かく見守るスタッフと教授陣。
こういう人間ドラマも、読みごたえがあるが。
でもやはり、修復について、仏像についての話が掘り下げられているところがやはり堪えられない。
定朝から慶派への仏師たちのことも、しっかりインプットできる。
そういう話が、無理なくストーリーに織り込まれている。
それから、中国での修復ブームのことも興味深い。
「我在故宮修文物」というドキュメンタリー、見てみたい。
美術品でもあり、信仰の対象でもある仏像は、人々の暮らしの中にあって意味がある。
長い年月、災害からも戦乱からもそれを守ろうとしてきた人たちがいる。
そうやって残ってきたんだということを改めて思うと、自分の仏像への態度も改まりそうだ。
Posted by ブクログ 2022年08月06日
知らなかった 藝大の天才たちがこんなに悩みながら作品を作っているとは!
(作品でわなく仏さまで作っているのでわなく 模刻させていただいている)
ウンチクも面白かったです
仏さまのお姿をスマホで探しながら読みました。
Posted by ブクログ 2022年03月11日
東京藝大大学院の文化財保存修復彫刻研究室を舞台にした連作短編群像劇。プロローグとエピローグを別にして4章からなる。
* * * * *
プロローグからしておもしろい。
文化財保存修復彫刻研究室という舞台を「仏さま研究室」と呼称するだけでいかめしさが消え親しみやすくなります。
...続きを読む 構成もいい。
プロローグから第1章までの主人公が親しみやすい まひる 。以降、 シゲ 、 あいり 、 ソウスケ と、主人公は性格の屈折度合いが増していき、ハラハラ具合も強くなります。
第4章に至っては大波乱でした。上手い並びだと思います。
また、各章を彩るイベントもいい。まひるとシゲの章のツンデレラブ、あいりの章の歴史ファンタジー、ソウスケの章の自然災害復旧ボランティア。
さらに脇役陣が魅力的です。例えばヤマ場で登場する一条教授の含蓄に富んだセリフにグッときます。その他、講師や助手の面々もいい味を出していました。
人物だけでなく、仏像の修復や彫刻をこれほど興味深く楽しげに描けるということに驚きました。映画監督と編集者の合作とは言え、その力量には、まったく感服するばかりでした。
Posted by ブクログ 2021年11月26日
二宮敦人著「最後の秘境東京藝大」を以前読んで、こちらも気になってました。
「仏さま研究室」
正しくは、「東京藝術大学大学院美術研究科・文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室」
まさか学生が仏像の修復に関わっているとは思ってなかったので、驚きました!
研究室の四人の学生が「模彫」という難題に向き合いな...続きを読むがら個々の抱える問題とも同時に向き合い、悩んだり、改めて仏像の奥深さや魅力に気づいたり、友を見て焦ったり、自分も頑張ろうって思えたり…。葛藤しながら頑張る姿にグッとくる。
まさに青春!!
仏像について、修復について知らないことがいっぱいで興味深かったです。
時代を越えて受け継がれてきたもの。そこに込められた想いや長い歴史を感じられる作品。
こういう青春に絡めたロマンを感じられるのは個人的に大好きです。
Posted by ブクログ 2021年11月21日
東京藝術大学仏様研究室の修士4人が各話の主人公として、1年次の冬から2年次の冬までの一つのストーリーが季節ごとに展開されていく。
東京藝大、仏像修復という特殊性が特に目を引くが、本作は小説・物語としての完成度が素晴らしい。期待を遥かに上回る面白さに魅了された。
個人的には2話目のシゲの話が...続きを読むお気に入り。親の期待から来る重責、すれ違い父と子の互いの気持ち。邂逅のきっかけがシゲとは全く違うタイプの同世代の女の子というのも良い。同じような悩みを持つ彼女へのアドバイスを通じて自身を見直していく。人のことになると客観的に見れるのに自分のこととなった途端に見えなくなってしまうのは実に不思議なことだと思う。
全体を通した、この藝大生たちの悩みは決して特殊なものではなく、誰もが抱える悩みだということ。劣等感、将来への不安、親との衝突。そこに共感できるからこその面白さだと思う。4話目のソウスケに対して一条先生が伝えた「目の前の対象には誠実たれ」(p265)は全てに通じる至言だ。まさに藝大という舞台装置を使った本格派の青春小説だと思う。
Posted by ブクログ 2021年08月13日
藝大に実在する研究室をモデルにしたフィクション
去年、横浜そごう美術館で「スーパークローン展」という催しを観た。法隆寺の釈迦三尊像を3Dで計測し、当時の材料で鋳造し、実物大で再現、そして彫刻、彩色を施すというもの。果てしなく大変な労力を注ぎ込んで完成したそれは、単なるレプリカではなく、スーパー...続きを読むクローンと呼ばれる。
これを作製したのが、この本の中で「仏さま研究室」と呼ばれている東京藝大の教授と学生のメンバー。登場人物やエピソードは架空の話だけれど、この本の中で語られている仏像模刻のカリキュラムは実際に行われていること。
仏像彫刻の歴史的変遷から、現在の寺院仏閣を取り巻く厳しい環境、檀家と寺の関係性、そして保存、修復における藝大の存在意義。一般にはほとんど知られていない文化財にまつわる蘊蓄あれこれを、軽快な文体で読ませてくれるので、すごくためになるし、面白い。
ノンフィクションにしたら、それはそれで良かったんじゃないか、とも思ったけど、登場する4人の藝大生たちの人生に迷い葛藤する姿が、また良い。
天上天下唯我独尊を貫くのが藝大生らしさなのかと勝手に思ってたけど、そんなことでもない。一丁前に懊悩するし、他人と比べては落ち込むし、挫折しては、また立ち直るという繰り返し。一般人とさして変わらない。(けしてディスってるわけではない)
これは小説にして正解だ。
青春小説としても良い出来だ。
ケチをつけるとすれば、本の表紙が凡庸なところくらいだ。全然この本の面白さを表現していない。
Posted by ブクログ 2021年07月28日
卒研の作成の中で、登場人物4人の葛藤との向き合い方・成長を追体験できる小説。
感動的で、卒研を経験したことのある人にとって学ぶことは違えど共感してしまう。
Posted by ブクログ 2024年01月14日
信仰心あるなしにかかわらず、やはり仏像は向き合う者のココロをうつすもんやなあ、と。/若者でありそれぞれの理由で仏像に惹かれた者でもある四人を描く。あと、まったく知らない世界に触れられる愉しさ。まひるの仏さま。シゲとカヤノと親たち。運慶の不動明王に対するアイリの苦悩。決められないソウスケの葛藤。202...続きを読む4年1月14日
Posted by ブクログ 2022年01月27日
東京藝術大学で仏像の保存の研究室で、苦闘する院生四人。修士号を取得するには、現存する仏像を選んで、そっくりの物を模刻しなければならない。寺や檀家の意向で3Dのデータをとらせてくれなかったり、木の使い方に苦労したり。
非常に面白かった。何となく観ていた仏像の歴史、技法、造形。ノンフィクションかと思う...続きを読むぐらい詳しい。エンターテイメントとしても、お勉強としても一級品だった。ドラマ化希望。
Posted by ブクログ 2022年01月20日
東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室
別名「仏さま研究室」
その修士課程2年生の4人の修了製作である模刻のエピソードを中心に、仏さま研究室というものが、また仏像の保存修復とはどのように行われるものなのか、そもそもの修復の対象である仏像とは、それを信仰する人にとってどんな意味...続きを読む合いを持つものなのか、が描かれている。
仏像製作の歴史、南都仏師の誕生までのいきさつとか、おタクともいうべき熱い人たちの会話形式で説明されるため、なるほどーと、理解しやすい。
アイリの章、ちょっとスピリチュアル的な展開はどうか・・と思ったが、古より、仏像製作に携わった仏師たちがどのような思いで仏像を造り続けていたのかに思いをはせることが、保存修復だけでなく一般である私たちが仏像を鑑賞する際にも大事なことなのでは・・と思わせた。
あとシゲの章のカヤノキのエピソード、これはちょっと泣いた。
Posted by ブクログ 2021年12月24日
仏さまを作る仕事、修理する仕事。そんなことに携わる人たち。今の山の木々が置かれている環境。お寺と檀家さんのこと。信心とは… そして、進路を考えること、家族との関係、人生なかなか順調には行かないよねぇ… いろんなことを一気に考え、疑似体験できるとても素敵な小説です。
芸術家になるのに学校は必要なのか...続きを読む?と思うこともありますが、やはり、学問として学ぶことの必要制と大切さも感じました。先人に導かれること、歴史を知ることもとっても大事。それらが全て学びの場で提供される、それが学校というところなんですね。
Posted by ブクログ 2021年12月07日
甘酸っぱくはあり、純粋な小説としては月並みと思うけれども、等身大の芸大生・・仏像補修に取り組もうとしている芸術エリートの、対象への向き合い方や、仏像彫刻のウンチクがしっかりと書かれていて、読んでいて楽しかった。
Posted by ブクログ 2023年02月21日
芸術の世界は非常に奥深く、私の知らないことばかりで興味深い。だけどその世界に生きる人々は、私たちと同じ、心の中に悩みや葛藤を抱える人間だ。この作品はその2点が融合しているところに魅力が詰まっているのだと思う。
「間違うのも、答えを先延ばしにするのもしゃあない。せやけど、目の前の対象にはあくまで誠実...続きを読むでないといかん。逃げたら、自分からも逃げることになるんや。それこそ行き先がなくなる。」
言葉が刺さった。いくらでも悩んでいいし、考え抜いてもいい。だけど、逃げちゃダメだ。私もこれからの人生、この言葉を胸に刻んで生きていきたい。
Posted by ブクログ 2022年11月27日
好きなセリフ
「決められんでもいい。間違うのも答えを先延ばしにするのもしゃあない。せやけど、目の前の対象にはあくまで誠実でないといかん、いったん始めたことからグズグズ逃げたらーー自分からも逃げることになるんや。それこそ行き先がなくなる」by一条教授
Posted by ブクログ 2022年10月21日
仏像や仏教、社寺の知識など細かい説明があるので、素人でも読める。ストーリー的にはおもしろかったが、専門用語の説明にどうしても興味を持てず、少し読むのに時間がかかってしまった。あっさり読む、というよりかはじっくり読みたい人向け。
Posted by ブクログ 2022年06月10日
東京藝術大学にあるという仏像を修復する大学院を舞台に、修士学生たちの青春物語というところ。仏像を模刻するとかで、仏像系の色んな話が出てくるのは面白かったが、青春物語的なところが今一つだったなあ。
Posted by ブクログ 2022年01月29日
東京藝術大学大学院美術研究科
文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室のお話。
仏像の保存について研究し、課題は仏像の模刻。
仏教や仏像について学べ、仏像がどのような過程を経て作られているのかもわかる。課題と向き合い、自分の将来と向き合う姿は青春だなぁと思う。
普通の学校と違い、芸術分野で生計を立てるの...続きを読むは難しい。では何のためにこの道を選んだのか?自分にとっての仏像とは?芸術とは?
「決められなくてもいい。間違うのも、答えを先延ばしにするのも仕方ない。けれど、目の前の対象にはあくまで誠実でないといけない。いったん始めたことからグズグズと逃げたら、自分からも逃げることになる。それこそ行き先がなくなる」という先生の言葉が残った。
Posted by ブクログ 2022年01月28日
目の前の対象にはあくまで誠実でないといかん。いったん始めたことからグズグズと逃げたら、自分からも逃げることになるんや。それこそ行き先がなくなる
仏像の修復や模刻も通して仏像の歴史や藝大の授業について学べた。
現実的な内容なのに一部急にファンタジーが現れたのが残念。
仏像に興味を持てた。
外国の出土...続きを読むする像ではなく、人々の伝承として祈られながら守られてきたのが仏像で今までの長い歴史でたくさんの人を救ってきたということが新たな気づきだった。
Posted by ブクログ 2022年01月06日
東京芸大の特殊的な部分が垣間見る事が出来、興味をそそられた。特に美術部門は秘境の様で面白かった。
物語的にいうとちょっと都合良すぎて今一つであった。
Posted by ブクログ 2021年07月17日
仏さま研究室に在籍する4人の大学院生のお話。仏像づくり(模刻)を通じて、それぞれの悩みと成長を描く。タイトルから、もっと荒唐無稽な話なのかと思っていたが、正統派の青春小説だった。
実は、この仏さま研究室、東京藝大に実在するとのこと。物語を通じて、実際の仏像修復の活動や、仏像の歴史といった知識も学べ...続きを読むる。
作者は樹原アンミツとあるが、実は映画監督の三原光尋氏と、ライターの故・安倍晶子氏から成るユニット。と言われれば、確かに人間の内面を扱った作品のわりには、良くも悪くも、小説然としたクドさがない。安倍晶子氏は「メディアファクトリー新書」立ち上げ時からの編集長だそうで、知的エンタメとしての仕上りにも納得。