あらすじ
灰かぶりの乙女への愛なきドクターのプロポーズ
両親を事故で亡くしたアラベラは、生活を一新する必要があった。慣れ親しんだ田舎を離れ、ロンドンに出てきた彼女は、偶然見つけた求人にすがるような思いで応募した。医師であるタイタスのオフィスの地下室に住み込んで、管理人として日々の細々とした雑務を引き受けるのだ。採用されたアラベラは、すぐに有能ぶりを発揮する。そんな彼女を見て、身を固めることを考えていたタイタスは、ふと妙案を思いついた。彼女は“妻”としても有能に違いない。突然の雇い主からの求婚に、アラベラは驚くと同時にときめいた。
*本書は、ハーレクイン文庫から既に配信されている作品のハーレクインSP文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
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Posted by ブクログ
文字数と、必ず幸せな結婚生活というハッピーエンドという制約のあるハーレクインという様式ではあるので、最初から手に取らない人も多いかと思いますが、この作家さんは必ず物わかりの良い生活の相棒ともいえる猫や犬がたくさん登場して主人公たちに寄り添うので結構好んで読んでいます。
この作品は、突然の孤独と厳しい現実に戸惑う主人公が、「猫と一緒に住み込みでできる仕事」を探している場面から始まります。
唯一元の家から持ち出しが許された素敵な紅茶セットでお茶とアップルパイを楽しむ生活。職場が静まり返った夜、星空の下で猫と庭で過ごす時間。自力で、1人プラス1匹の生活を確立した自分自身への喜びに満ち溢れている様子がとても魅力的でした。