あらすじ
恐怖の殺人予告VS十津川警部らの名推理――十津川警部と妻との電話にまぎれ込んだ奇妙な電話は、殺人を相談するショッキングなものだった。キイワードは、6分間、東京駅、午後6時半。数多い列車の中で、条件を満たすのはどれか? そして6分間とは停車時間か? 接続時間? おなじみ十津川・亀井コンビの目まぐるしい活動が始まる……。という表題作など5編を収める、会心の鉄道ミステリー。
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Posted by ブクログ
〇トリッキーでもなくありえそうなトリックだが、いまは引退のために実現しない列車も多くてそれが物悲しい。
表題作を含む、5編の短編集。
・列車プラス・ワンの殺人
小学校で殺された会社員。動機のある服部はアリバイがあり、その時間では殺害できるはずもないのだが――この時代でないとあり得ないこのトリックはまさしく「プラスワン」。作者の取材力。
・死への週末列車
列車内で殺された男。動機がありそうな中村は無実の罪を着せられそうになるが、列車が雪崩の影響で止まってしまい――缶の指紋トリックも犯人側の思うつぼになりそうになりながらも最後は容疑者の記憶頼み。ゆぅトピア和倉がとても懐かしい。
・マスカットの証言
東京駅で殺された死体のポケットに「マスカット」が入っていた。同期のある男は岡山にいたがアリバイがあり――アリバイ崩しの基本中の基本。
・小さな駅の大きい事件
指宿枕崎線・西大山駅で殺された加倉井刑事。誰かに頼まれたらしいが、その裏には思惑が――十津川亀井が捜査中止を命ぜられながら、謎を解き犯人を追いつめる姿がかっこいい一作。
・寝台特急六分間の殺意
十津川と直子の電話に割り込んできた会話で聞こえた「六分間」「やる」「六時半」。いったいどの時間のどの列車か?――経験が呼び寄せる勘か?犯人もびっくり。