【感想・ネタバレ】知事の真贋のレビュー

あらすじ

リーダーのなすべき仕事とは何か?
良い知事とダメな知事の見分け方とは?

新型コロナ対応では各都道府県の知事たちの言動が注目された。
国の方針に唯々諾々と従うだけの知事もいれば、現場の実態に基づき臨機応変に対応した知事もいた。
マスコミ露出の多寡ではわからない「知事の実力」とは何か。前鳥取県知事が自らの体験を元に解説する。

第一章 知事たちの虚を突いた感染症
第二章 法的根拠を欠いた知事の自粛要請
第三章 各都道府県知事の閻魔帳
第四章 問われる全国知事会の役割
第五章 東京都政と大阪府政を診る
第六章 ポストコロナ時代の首長と議会

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

新型コロナ対策について、国や各都道府県知事が新型インフルエンザ対策特措法をどのように解釈、理解し行動しているのか、それがどれほど誤謬に満ち、危ういものなのか、また、議会の取るべき立場など、とてもよく分かりました。

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2021年05月22日

Posted by ブクログ

 コロナ対策は、ほぼ初めての経験だから、政府も地方自治体も苦労が多いんだろうなぁ、と感じてきた。でも、この本を読んで、政府も地方自治体も重要な法律を守らず、後で問題になりそうなことを実施していることがあるんだと、よくわかった。必要な法律や条例の改正は、急ぎの場面であっても議会を開いて行うべきだ。パフォーマンス知事は本質を見抜かれ、一方で、いい知事(いろんな場面を想定して準備がなされ住民が平穏に暮らせるような)がきちんと評価されて再選されるようにするには、どうしたらいいんだろう。
 いろいろ考えさせられる、いい本でした。

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2021年01月30日

Posted by ブクログ

地方自治の専門家による「日本政治の本」秀逸 
コロナは日本の政治のレベルを露わにした
国も、地方自治体も、マスコミも、アカデミズムも、国民も
コロナという非常時に対応する「実力」を求められ、
厳しい評価に晒されることになった、それもグローバル評価である
日頃些末な事象に振り回されて事足りていた我々は
コロナという戦争レベルの非常時に対応力を試されている
2020/12/10 知事の真贋 片山善博 ☆☆☆
知事経験を踏まえ、コロナ問題を事例として、日本の政治・地方政治の問題をえぐる。政府にも知事にも忖度はないのが気持ちよい。
しかしこれが日本の現実と思うと、少し暗澹たる気持ちになる。
「令和維新」につなげられるか!
1.対コロナ体制 国-知事 生活圏の問題 首都圏 関西圏
実務は市町村=保健所の所管だが、権限は国と知事 ✖政令指定都市
法律の建付けは不十分 根拠なき権限行使もどき 学校の休校 営業自粛
知事の役割=総司令官 ①ロジスティックス-人・設備・財源②法令根拠
「指定感染症」2020/2/1
2.全国知事会 国にもの申す「闘う知事会」2003年梶原知事・浅野知事
全国一律の弊害→総務省との軋轢
科学的知見の不可欠
国の緊急事態宣言→知事の営業自粛要請 逆も真
財源の法的根拠
3.安倍首相の嘘 平気(154) オリンピック福島原発のアンターコントロール
定額給付金の支給 マイナンバーは使えない オンライン申請
⇒国家破綻への道
4.東京都 1943年東京府と東京市が合併 17万人職員 巨大な政令都市
現場を抱えており、組織の巨大化 戦略は苦手⇒都・市分離へ
⇒大阪都構想と逆 「戦略とオペレーションの分離」
小池知事は思いつきの人 東京版CDC疾病対策センター 嘘ばかり
①コロナ②税収ダウン③東京五輪
5.大阪府 理解に苦しむ「都構想」 同感! 関西州=道州制が筋
市と府の役割分担 ①基礎的自治体②広域自治体[地方自治法]
維新はインサイダー選挙
6.議会が決める 小池知事は専決処分を乱用
「調査」「議論」⇒「決める」 民主主義の価値 多数派の強行ではない

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2020年11月30日

Posted by ブクログ

筆者は、鳥取県知事時代、議会とガチンコの議論、予算査定の透明化、県西部地震時の住宅再建への補助導入など、改革派知事として名を馳せた。
新型コロナ対応では、各都道府県知事の言動が注目されたが、筆者はそこに焦点をあて、自らの体験を元に、露出度だけではわからない知事の真贋について解説する。
東京都の小池知事は、キャッチフレーズや話題づくりに熱心なパフォーマンス知事だとこけ下ろし、「大阪都構想」に関しては、二重行政はどこにでもあり、問題があれば協議すればいいとして否定する。一方で、国の方針を鵜呑みにせずPCR検査を積極的に行った和歌山県の仁坂知事を現場に即した判断ができたと称賛する。 
本書で勉強になったのは、新型インフルエンザ等対策特別措置法の解釈。政府の基本的対処方針に緊急事態宣言が出ていなくても知事が自粛要請ができるという解釈が盛り込まれたが、その根拠となったのは特措法第24条9項。だが、筆者によると、これは都道府県対策本部への派遣協力要請であり、自粛まで想定しているものではないようだ。
本来、緊急事態宣言が出されないと、外出や営業の自粛要請はできず、営業自粛要請ができる対象について、第45条にうたわれている。
これらの条項に関して、誤った解釈がなされたのではと筆者は分析している。
このほか、岡山県の検温実施や東京都の「虹のマーク」を例に出し、条例審議の重要性を訴え、専決処分の乱用を指摘するなど、議会に対する真摯な態度を貫いてきた筆者の考え方に誠実さと潔さを覚えた。

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2021年01月18日

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