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Posted by ブクログ
壮大で多重で広い海のような青い物語。長いと聞いていたけど、なかなか進まないし、進めない。
芸術とは解釈とは?解釈と誤解については「文豪A」でも書かれていたテーマであったけど、暴走したその先を描き本当にそれでよいのか?と問いかけられている感覚になる。
図式と記号。繰り返される関係性の図式は単純であるようで、収束していくと実に複雑。夏目漱石の「こころ」の三角なようで、そう簡単に片づけられるものではない。ジェーン・グレイ、(ロンドン)塔、K、赤い執行人、黒いスーツという各記号も何度も繰り返され、解釈するこちらをかき乱す。
そして、現実と虚構。見ている私がいる、イコール現実なのか?特に最後にかけてはどこまでが現実でどこまでが<幻実>なのかあいまいになる。
一度では消化しきれないので、また時間をおいて消化をしてみたい。
Posted by ブクログ
いくつものパラレルワールドと現実と幻実をかいくぐって、ものすごく壮大なお話だったと思います。
きっと全てを捉えきれてはいないな…。果てしないお話だったから。途中で自分のいる時間軸や世界がわからなくなったり、このKは??このシーは??となってしまいました。
あと、途中でジェーングレイの絵を検索してしまいました。絵は見たことあっても、タイトルまでは覚えてないものですね。
一冊読んだはずなのに、何冊かの本を読んだような気持ちになるし、450ページくらいなのに上下巻の大作を読んだみたいな気持ちになります。すごく壮大だし、SFとかミステリとかいうカテゴリも跳躍した不思議なお話。
余談ですが、先日読んだ本もやはりコロナのこの世界がふっと出てきていたのですが、今を生きる表現者の皆様は、この状況は描かずにはいられないよなぁとも思いました。