あらすじ
作り物とわかっているのに自分の手と思い込む.目の前にあるのに見落としてしまう.これらはいずれも脳のつじつま合わせが引き起こす現象.顔と声が別人の映画の吹き替えに違和感を覚えないのも同じ.われわれが安心して日常を過ごせるのも,こうした脳の特性のおかげなのだ.まさかと思う人も,もっと脳を深く知りたくなる本.
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Posted by ブクログ
脳は情報が足りなくてももっともらしい理由を作る。視覚、聴覚、皮膚感覚などの感覚を脳で統合してつじつまを合わせている。すべての情報がそろってから判断していては生き抜けなかったのでこのように進化したのではないか。
Posted by ブクログ
2016年の本。文章がかたいので大人向け。子どもなら、高校生以上が適切。扱っている内容は難しくはない。
子ども向けには錯覚や認知に関する本がいくらかあるのでそちらの方が読みやすい。
Posted by ブクログ
学部生の頃,「統覚」という概念がよく分からなかった。それは自覚的に統覚している経験が(今も)ないからだろう。本著では知覚された情報をいかに統覚しているかを代表的な心理学実験(ラバーハンド錯覚,マガーク効果,腹話術効果,専門家の注意力,形や色の好ましさ)を用いて解説する。百聞は一見にしかず,実際に体験すると驚きに満ちる。その意味では基本的な心理学実験を全て経験しておくことは人間の認知に対する好奇心を刺激する。「つじつまを合わせる」は認知的均衡理論に通じる。意味を作ろうとする人間の原理は頑健だな。
Posted by ブクログ
ラバーハンド錯覚、マガーク効果、見落とし、典型的見え、色嗜好、共感覚。
うむ、こういうワード好きなんですよね…。こういう心理学的な話はさらっと楽しめてよい。