【感想・ネタバレ】新宗教を問う ──近代日本人と救いの信仰のレビュー

あらすじ

創価学会、霊友会、大本、立正佼成会、PL教団、天理教――。日本ほど新宗教が大きな力をもつ国は世界に類例がないといわれるが、どうして日本で新宗教はこれほどの影響力をもつのか。近代に大発展した新宗教はなぜ現代において衰退しつつあるのか。救いの信仰に向けられた人々の心はどこへ向かっているのか。この三つの問いはそのまま日本の近代とは何かを問うことでもある。「宗教からスピリチュアリティへ」の転換期にある現代において、人間を救済できるのか。「新宗教」が明らかにする、時代の相貌と日本人の精神の根源に迫る。

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Posted by ブクログ

コロナ禍によるいわゆる「ニュー・ノーマル」って産業構造やライフスタイルの問題だけじゃなく、人の心にも大きな影響を与えることになるでしょう、きっと。だから芸術だとか宗教を求める力も大きなってくるんだろうな、となんとなく思っていました。芸術はみんな大っぴらに語るとするとして、時代の要請に応じて宗教がどんな変化をしていくのか、そもそも時代の変化に合わせて生まれてきた新宗教って何?というモヤモヤ感によって手に取ったのが本書です。かなりスッキリしました。プロレス団体の集散離合のように新宗教の相互関係が初めてわかりました。同時に公明党とか日本会議とか現在の政治を語るうえでの重要な要素としての新宗教の大きさにたじろいだりもしました。しかしここまで仕組みがわかると得体の知れなさに怯える必要もないのかな、とも感じました。怯えるべきは人の心の行方。新宗教がコミュニティベースの「旧新宗教」と個人ベースの「新新宗教」に分かれるという分析がそうだとしたら、オウム真理教が獲得したスピリチュアルを求める個人の願いは、きっと東日本大震災やコロナ禍を経て日本の上空に大量に浮遊していると思われます。

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2021年03月07日

Posted by ブクログ

日本において新宗教がなぜ発展してきたのかを述べた論文で、研究書に近い位置づけです。機会あって宗教関連の簡単そうな本を何冊か読んでみましたが、これが一番内容的に難しくて重厚でした。

「世なおし」「心なおし」「病気なおし」という3つの側面をキーワードとして、各宗教の考え方や活動を捉えようとしています。
いわく、一般庶民に受け入れやすい心なおしや病気なおしのメッセージや、現世救済的な側面が大きいことが新宗教の拡大に寄与したと思われるとのこと。

大きく取り上げられているのは、創価学会、霊友会系(立正佼成会)、大本ですが、その他、天理教や世界救世教、エホバやオウム真理教など広く触れられています。

ちょっと難しすぎて、★3〜4。

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2024年12月29日

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