あらすじ
居酒屋で店員を呼んでも気づいてもらえない著者が、〈通る声〉をめざして悪戦苦闘。「声がよくなる」本を試し、アナウンサー、音響科学の専門家、アメ横のおじさん、大相撲の呼出し、オペラ歌手などに教えを乞い、ボイトレスクールにも通う。果たして、その成果やいかに!? すべての「声が通らない人」に捧げる声にまつわるエンタメ・ルポ!
【目次より抜粋】
第1章 「声が通らない」という哀しみ
居酒屋の片隅で「すいませーん」と叫ぶ/8割の人は自分の声が嫌い?/辛酸なめ子さんの声の悩みを聞く/自分の名前が発音しにくい!/アナウンサー研修教本の中身とは?/「いい声になる本」を探してみたら……
第2章 「通る声」と「通らない声」はどう違う?
ラジオパーソナリティたちの「いい声」/声を調整するラジオ局ミキサーの技術とは/音声科学で分析する「通る声/通らない声」/「すいませーん」よりも「お願いしまーす」/東大応援部式発声練習とは?
第3章 いろんなボイトレやってみた!
「1分でいい声に!」ってマジですか?/いい声が出ない原因は首のコリ!?/「出世した山村出身シャンソン歌手」って言える?/滑舌がイマイチなのは舌の異常の性だった!/ボイトレスクールに通ってみた!
第4章 「いい声」ってどんな声?
時代によって変わるニュースの声/映画の話し方もフォーマルからカジュアルへ/女の声は低くなり、男の声は高くなった?/アメ横のおじさんのダミ声の理由とは?/大相撲の呼出しの美声と名調子/あなたがいい声と思う著名人は?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この書は「店員を呼んでも聞こえていない」の悩み種書籍だ。声が小さい、低すぎるだけの悩みではなく「声が通じる方法」なのだ。書籍での効果はイマイチだがボイストレーニングで変化があるとのこと。だが持って生まれた声帯はそんなに変化することはないかもしれない。人の声帯で魅力を感じるのはやはり目の前で「オペラ歌手」が歌う声力には驚愕する。同じ人間なのに何故こんなにも違うのか。魅力ある声を出すには腹式発声法(声帯を広げ振動させる)で絶え間ない練習かもしれない。
Posted by ブクログ
居酒屋で店員さんを呼ぶときは、「すいませーん」じゃなくて「お願いしまーす」が鉄則。
「すいません」には聞き取りにくいSの音がふたつも含まれていて、声が通らない者が聞き取ってもらうには難易度が高いのだ。覚えた。
Posted by ブクログ
前作「字が汚い!」に引き続きコンプレックスシリーズ第二弾だが、今作も私にもがっつり突き刺さってしまった。
居酒屋で声が通らないとかパーティーで相手に理解してもらえないとか、あるあるすぎて首がもげそうになる。
この著者はボイストレーニングの教室に3年以上通っているそうで羨ましい。
でもそれだけしていても、声って劇的には変わらないものなのね。
そう考えると字の方がまだ何とかしやすいのかな。
Posted by ブクログ
騒がしい居酒屋で「すいませーん」と注文したくて声をあげているのに、なかなか気づいてもらえない経験、自分自身を含め、そうそう、と頷く人は多いと思う。本のテーマ選び、読者を掴むスタートに感心しきり。著者の前作は、あの「字が汚い!」。これは読んでないが、ひらがな自主練習を始める、自分自身のキッカケになっている。
居酒屋で注文の声を通しやすくするコツは、「大きく息を吸って呼びたい人に狙いを定める。そして、高めの声を意識して腹から「お願いしまーす!」。」とのこと。高い周波数が通りやすい、そして人によって声の周波数帯がかなり違うこと、上級者は場面によって周波数帯を使い分けられる、ということも初めて知った。もちろん、腹式呼吸は基本になるが、身体を使って、特に鼻や喉、額などを意識して、声を共鳴させれば、通る声になるとも。
ボイストレーニングの経験談、いくつもの本を読んで試してみた箇所も参考になる。本の部分では、ツッコミが面白くて、そうそうって感じて、ここも感心。
本気でやるなら、著者の言うとおり、一度はプロに習うのがいいみたい。ピンキリみたい、そしてテイストが合う合わない、もありそうなので、見極めも大事か。