あらすじ
3年ぶりに帰った故郷は、狂気に満ちていた
父と娘は、閉ざされた狂気の村から逃げられるか
墓参りのため、亡き妻の故郷・鵜頭川村を三年ぶりに訪れた岩森明とその娘。
突然、豪雨にみまわれ、山間の小さな村は土砂崩れで孤立。
そして、若者の死体が発見された。
犯人は村人か、それとも――。
降りしきる雨の中、父と幼い娘は暴動と狂乱に陥った村から脱出できるのか。
血と恐怖のパニック・サスペンス!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
小さな村というただでさえ閉鎖的な社会で、災害によって完全に孤立した村。
狭い社会にはびこる上下関係や親族間でも存在するいじめへの不満、鬱憤が爆発し、残酷な事件が起こる。
事件を扇動したのは間違いなく辰樹たち自警団だが、半分以上の動機は日頃の不満だったのだと思う。誰も指摘する人も逆らう人もおらず、どんどん増長していく社会上位の矢萩衆、男尊女卑の見本のような男たち。被害を受けるのは弱い女や子供たち。
仕組まれた事件だけども、起こるべくして起こった事件かもしれない。
愛子ちゃんがかわいそうで…岩森や廉太郎、港人が無事でよかった。
Posted by ブクログ
村社会、男尊女卑、都会に行けなかった若者、都会への憧れ、縦社会、災害、災害による心的疲労、、、
「怒り」に関する描写が恐ろしかった。人間の奥底にある「怒り」がエイキチなのだろうか。
暴動の日は本当に救いがなくて、助かれ助かれって思いながら読み進めた。娘がいるのに、ここまで激しくやらなくていいでしょう、もうやめて、と読んでいて辛かった。娘の前で人殺しにはならなかった。
娘が最後に、お母さんが死んでから年相応に泣きじゃくっていたシーンに感動した。変に大人びず、甘えられたと言うか感情的になれて本当に良かった。
バッドエンドはつらい。
感想の中に、普通の人々が少しずつ狂気に染まって、暴徒と化すところが恐ろしいとあった。この小説での辰樹、現実でのヒトラー等人々を洗脳する才能のあるカリスマ性のある人間って恐ろしいな。現代では多額のお金を貢がせるアイドルやホスト、アーティストと、意外と身近な話かもしれない。狂気に陥れるか、お金を貢がせるか、、、私たち普通の人も何かに洗脳されて生きているのかもしれないし、簡単に洗脳されて暴徒側になってしまうのが怖いところ。
Posted by ブクログ
古い価値観がはびこっていた時代、とはいえ、狂ってます!!
描写が生々しくて、おぞましいです。最後の対決シーンは斜め読み…。
まさにパニックサスペンスでした。
Posted by ブクログ
抑えつけられ鬱屈した集団の暴走。狂気と残虐描写は激しいけれど、始終一定の距離を保って冷静に描かれていたのが良かったです。
誰が100%悪い、とかではなく、これまで積み重なってきた良くない事が一気に噴出した空気。時代設定も舞台設定も人物設定も絶妙でした。ここまで酷くはないけど実家のある地区も九州の片田舎で男尊女卑傾向まだ強いし何かあったら結構な速さで広まるのでつくづく。。上下関係はないけど2割同じ苗字で別の1割同じ苗字というところですし(もちろん、佐藤や田中ではない)。
暴力が渦巻いて、長雨もありジメジメしている中、港人くんと廉太郎くんの尊さ良かったです。岩森さんまで呑まれそうになるのを止められるの凄い。ピアノさんも、地元意識強いなかで、降谷にも矢萩にもつかなくていい人間関係構築してるのは女傑です。上窪のご隠居は隠居してるから巻き込まれずに済んだのかな…鵜頭川村の住人だからある程度どちらかだろうけど(そういえば屋号“上窪”しか出てなくて苗字わからない)、それ関係なく心配してくれるのはほっとします。
殺人事件と暴動の真相が、横溝正史ばりに懐かしのドロドロ血縁関係。金田一シリーズはたいてい親が気に病んでたけれど、子どもも同じように気に病みます。。
これほどの内乱事件が起こっても、小さな出来事としてWikipediaに小さくまとめられているという体なのが苦いです。
その後が気になる人物も多数居ますが、蚊帳の外側は知ることが出来るのはここまで、というのもリアルでした。下世話に調べまくらない限り現実の事件もそうだな、と。
これドラマ化するんですか…大丈夫かな。。設定変更はかなりありそうですが、WOWOW攻めてる。
追記:他の方のレビュー拝読してて、そういえば地元も屋号呼びしてた…と思い出しました。うちんとこは同じ名字の家が多いからという理由なので、たぶん明治維新前から使ってそう。名字持ってても使える階級じゃなかったから……
鵜頭川村も同じような気がする。