【感想・ネタバレ】女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。のレビュー

あらすじ

如何にモテるか――それだけをこの胸に問い続けて、今日まで生きてきた。この本の主成分は、これまで恋に関して沈黙するしかなかった有象無象たちの涙なのだ。
「有象くん」と「無象くん」というフツーの男子大学生をはじめ、女の子たちをめぐりもろもろ事件が起きる春夏秋冬のエピソードが綴られる連作短編集。「イケメンくん」に「二番手くん」「ダンベル先輩」「抜け目なっちゃん」、「都合良男先輩」などキャラクターを強調された登場人物たちの悲喜こもごもが描かれる青春ストーリー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

6篇の連作短編集。アンソロジーで読んで気になっていたもの。福岡と思われる男子大学生・有象くん無象くんのお話。イケメンくんとか本命ちゃんとかビッチちゃんとかそのまま名前になってて分かりやすいし、こんなにも恋愛が重要になるのかと思わされる。まぁ今どきの若者は違うかもしれないけど、学生時代ってこんなだったなーと懐かしい感じもする。とにかく笑えて面白い。まさに青春コメディー。

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2023年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

有象くんと無象くんのかなり冴えない大学生活

コミカルテイストでずっと笑えるし、ときどき人生の肝のようなものがバスっと出てくるので侮れない。有象無象は文学部なのでときどき文学話もあり。(でも合コンでクッツェーの話をするのは…(;'∀'))

女王ちゃんにビッチちゃん、女子がみな逞しい。内容を忘れてまた読んで笑いたいな。

タイトルと可愛い表紙から中学生か高校生の甘酸っぱい話かな?と思っていたら舞台は大学!「大学生にもなって『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』なんて!アホか!」とうっかり声が出ました。読み始めが自宅でよかった。

ミスコンがあったり、出てくる単語(パンティとか)、男子たちの行動が少し昭和~平成初期っぽいかなー。

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2022年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大学生の日常に起こるさまざまな出来事をとても生々しく描いた作品。この作品のおもしろさは、登場人物たちの名前が「その人物が持つ特徴+ちゃん・くん・先輩」であること。主人公たちは有象くん・無象くん。イケメン君や医学部のエース君、女王ちゃん、ダンベル先輩、本命ちゃんや二番手くん、引き立て役ちゃん、俺様くん、都合良男先輩、勘違い先輩、束縛君、ビッチちゃん、抜け目なっちゃん、十年一日くん、十把一絡げくん…。おもしろかった。

p.137 一方、無象くんは質入れしたクロムハーツのことが頭から離れなかった。そして、なぜあんなものがあんなに気になるのかを考えた。欲しくて欲しくて、大骨折って手に入れたわけではない。有象のやつがあんなにも夢中になるブランドだったから、ギャンブルで買ったあぶく銭でなんとなく買ってみただけの話。なのに店員におだてられてそれを首にかけた途端、有象の欲望が自分の中にどっと流れ込んできた。その激しさときたら、軽いめまいを覚えたほどだった。すると、そのペンダントが突如無象君のずっと欲しかったものに変わった。持っていて当たり前のものになった。有象が持っていないものを俺は持っている。ショップの鏡に映る胸のダガーペンダントをうっとりと見つめながら、無象君は有象君より少しだけ立派な人間になれたような気がした。多分、人間というのは他人の欲望を真似るようにできているのだ。走りながら、そんなことを考えてそんなことを思った。だとすれば、他人の欲望はまるで俺になり変わろうとする影法師みたいだな。

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2022年06月03日

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