あらすじ
愛犬家が集うバーベキューパーティーが、すべての始まりだった。私と私の犬は、いつしか不条理な世界に巻き込まれていく。
「君はどんな世界を作りたいんだ」
「俺はどんな世界も作りたくない。どんな世界も作らないことが俺の目標だよ。ほおっておくと世界が作られてしまうからな」
「なにを言っているのかまったくわからない」
「いけばわかるよ。真の栄光、真のバーベキューについても」(本書より)
迷える民にもたらされた現代の超約聖書。
町田康の新たな代表作。
人間の根源を問う傑作大長編小説。
私たちを救ってください。
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Posted by ブクログ
☆2.5 ひねくれ者
この小説を読む者はまづ洗礼を受ける。ルビのない漢字趣味、ひねた視点、わけのわからぬ展開。
主人公の視点がひねくれすぎである。中年金持ちのボンボンを想定してゐるやうだが、ひとを蔑んだり、あらぬことを想像したりして妙にねばっこく厭な人間である。しかし、そのひねた世間のズレが妙におもしろいのである。
小説は「一回目のバーベキュー」から本性あらはしてきたが、つぎの「現報」の章がいちばん長く、試練が待ってゐる。
その、「現報」の悪霊とか怨霊とかのオカルトがもっともキツく、くだらないので、ぴえええええええええええええっとなってしまうこと請け合ひである。なんやねん怨霊って。主人公、おまへやろがい。
そしてそのつぎの「日本平の死」になると、とたんに瓦解した笑ひが襲ってくる。こら、あほである。
で、いつのまにか話は草子を教祖とした、犬を救ふ活動、的な話になり、さいしょのムチャクチャが意味のないムチャクチャだったことが判明するが、よくもまあこんな不快文体描写で書きやがって的な感想もあり、そんでもって文体が固まってきたなとも思ふやうになったのである。
ところが「地下駐車場にて」になると、まったくこれまでの展開が無に帰してしまふ。世界の終り。を滑稽に戯画して、しかしおもんない。といふ感じである。ながながしいのである。地下駐車場の章で地下駐車場の展開・思弁をだらだらと流す。