あらすじ
平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか? 睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存――最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。
日常生活に欠かせない存在となったスマホ。
しかし、そのスマホの危険性が日々問われるのはどうしてなのでしょうか。
著者はそこに人類の進化が関係しているといいます。
本書は、科学的根拠と進化論の目線から、私達がスマホを手放せなくなってしまった原因を分かりやすく解説しています。
人類はこれまで多くの時間を狩猟や採集に費やし、長い時間をかけて脳をその生活様式に最適化させてきました。
そんな狩猟生活に最適化された私達にとって、急激にデジタル化した今の環境は異常事態なのです。
本書を読んだ後、「自分はスマホを利用しているのではなく、利用されているだけではないのか?」と思わず自問してしまいました。
それほどまでにスマホは魅力的で、私達に様々な影響を与えていることに驚きでした。
今後もデジタル化の進行が予想される中、私達はスマホの魅力を知った上で、自分自身にあった利用方法を考えるべきなのかもしれません。
みなさんは今後どのようにスマホと向き合っていきますか?
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Posted by ブクログ
◯読後感想
1人の人生を左右するスマホの話
〈内容整理〉
「人間の脳はまだサバンナにいる」だから、人間の脳は、サバンナを生きていくための脳になっている。そのための機能がいくつもある。例えば、ドーパミン。これは、脳が「生き残るために必要と判断した」言動を人間が何度もするために出す物質。食事、セックス、情報を得るなどを人にたくさんさせるためにドーパミンが出る。また、不安やストレスも人が危険を回避して生き残るために必要なことだった。ストレスホルモンが出ると人は「闘争か逃走か」の判断を迫られる。それが危険回避につながっていた。
そして、スマホは人間に備わったこれらの性質を利用して悪影響を与えている。例えば、情報を手に入れることや「もしかしたら」という期待感が利用されている。そのせいで人はスマホに取り憑かれる。
スマホに取り憑かれた人はどうなるのか。スマホに支配される。集中力や睡眠時間、運動の時間を奪われる。SNSを見て他人と比べ、自信を奪われる。子供から自制心や人とのリアルなつながりが奪われる。人はスマホに、大事なことを奪われている。
では、スマホの悪影響にさらされず、幸せに生きることはできないのか。できる。そのためには、まずはスマホから距離を取ること。そして、これまで人がずっと行ってきた運動や睡眠などをしっかり取ること。それが大事。そうすれば、過度なストレスや鬱からは解放され、睡眠、集中力、自制心、人とのつながりを取り戻すことができるだろう。
〈読んで思ったこと〉
スマホの悪影響は低年齢になる程大きいと感じた。大人は、まだ自制心が育っているが、子供はまだ自制心が成熟していないのだそうだ。だから、スマホを使い過ぎてしまう。しかし、子供にとってこそ、スマホの時間によって奪われた時間が大切。睡眠、運動、人とのつながり、集中力、自制心、自信など。それらを奪われた子供は大人になって、生きていくことができるのだろうか。生きることはできるだろうが、しんどい暮らしになるだろうな。睡眠運動不足が慢性化して、体調を崩す。人とのつながり方や関わり方がわからず孤独を感じる。集中力や自制心がなく、自分の成し遂げたいことを達成できない。人と比べてばかりで自信をなくす。特に、うつなどになることは悲劇だろう。そんなことにさせないためには、やはり親が鍵となる。スマホ以外の楽しさを見つけさせてあげたい。スポーツ、習い事、友達と遊ぶこと。なんでもいいから。
自分としても、子供にはスマホではなくスポーツや読書、友達とのつながりを大切にしてほしい。なぜなら、それが生きていく力になるから。でも、これからの時代子供でもスマホなしで過ごせるのか、、、。友達が持ってるからなどと言われかねないな。
スマホとの付き合い方
大学生の頃から、夢中になれない自分になったと少しずつ気づきはじめた。そのあたりから、マルチタスクが得意だと思い込み社会人として働いていた。
この本を読み、今までの素朴な気づきと自分の動き方のカラクリが腑に落ちてきた。自分はスマホ依存とまではいかないが、脳の仕組みから丁寧に解説された内容を読むと、しっかりと脳がハッキングされていたんだと自覚した。
この本のおかげで、スマホとの付き合い方を見つめ直すきっかけになった。
太古にまでさかのぼる
人類の長い歴史の中で、スマホが誕生して便利な世の中になったのはごくごく最近だということをまず説明してくれます。現代において、どうしてやめられない❓嫌になっちゃう、と思った事(ネガティブ、満腹でも食べる等)は、祖先がその方が生き残る確率が高かった。それを知ることで、対処の仕方も選べる。
Posted by ブクログ
本書はスウェーデンの書籍を日本語翻訳したもので、「ビル・ゲイツは子供が中学2年生になるまでスマホを持たせなかった。スティーブ・ジョブズは子供が自社製品を使うのに非常に厳格だった」というフレーズが印象的でした。ITトップはデジタルの恐怖を熟知しているからこそ、子供へのITリテラシーの躾に特に厳しかったらしいです。
現代人の必需品であるスマホが実はどんな悪影響があるのかを熱弁している一冊でした。 そして人類の歴史から見ると、スマホが存在している現在というのはほんの一瞬のことではありますが、ここ数十年で私達のライフスタイルもデジタルによってがらりと変えさせられました。
まず、人類が進化したかどうかを引き合いに出すと、白熊はアラスカへと移動する際に雪国での生活に順応すべく、毛が白く進化しました。人間の脳は、狩猟によって数十万年費やして進化してきましたが、そこから約1万年間デフォルトの構造は変わってないらしいのです。
スマホが普及し始めた2010年過ぎ頃から、精神科に通院する10代学生も急増しているらしく、これは昔よりもメンタル不調を申告しやすい風潮になったこともあるでしょうが、スマホゲームの依存症やそれによる睡眠障害も見受けられるとのことです。実際、ある学校でスマホ学習班とペンとノートのアナログ学習班とで小テストをさせたら、後者の方が成績が良かったという実験もあったそうです。
さらに、SNSによる10代女子に対する悪影響としては、自己肯定感を低下させかねないということ。なぜそんなことが起きるのか、これはアイドルやモデルの投稿を見て、劣等感を増幅させている子が非常に多いらしいです。
そんなスマホによるストレスへの対処方法についてですが、週に2時間で何でも良いから運動することだと述べています。大昔の祖先の体型は今のアスリートに匹敵するらしいです。
ロンドンのタクシー運転手は、ナビを頼らず乗客を目的地まで届けられる位に道路に関して博識であるということから、人間やればできるものだと認識させられました。
最近私も日用品を買うのもQRコード決済、銀行引き落としもスケジュール帳も目覚まし時計もスマホ一択で使っているので、何かアナログにしないといけないなぁと痛感させられました。本書で記載されている人間がストレスを感じた時や、物事を覚える時に機能する脳器官についても学びたいと思いました。
Posted by ブクログ
【要約】
「人間の脳はデジタル社会に適応していない」という衝撃的な事実を、最新の脳科学と進化心理学の視点から解説
①「サバンナの脳」と現代社会のミスマッチ
人間の脳は1万年以上前からほとんど変わっていない。
人類の歴史の99.9%以上は狩猟採集民として、常に飢餓や猛獣の脅威にさらされて生きてきた
・生存本能としての情報収集:
原始時代、新しい情報は生存に直結していた
そのため、脳は新しい情報を見つけると報酬物質であるドーパミンを放出するように進化した
・ミスマッチの発生:
現代のデジタル環境は、この「新しいものを求める」本能を過剰に刺激する
結果として、脳は常にスマホを欲する中毒状態に陥っている
②スマホが脳をハッキングする仕組み
スマホやSNSは、私たちの脳の報酬システムを巧みに利用するように設計されている
・ドーパミンの魔力:
SNSの通知や「いいね」は、ギャンブルと同じく「いつ来るかわからない(かもしれない)」という期待感を煽り、ドーパミンを大量に放出させる
・依存の深刻さ:
SNSの依存性はヘロインに匹敵するとも言われ、アプリ開発には脳科学者が多数関わっている
③スマホが及ぼす悪影響
スマホを過度に使用することで心身に様々な問題が生じる
・集中力と記憶力の低下:
脳は一度に一つのことしか集中できず、マルチタスクは不可能
スマホがポケットにあるだけで、その存在を無視するために脳の処理能力の約10%が奪われ、集中力が低下する
・精神状態の悪化:
SNSでの他者との絶え間ない比較は、劣等感や孤独感を生み、うつ病や不安障害のリスクを高める
・睡眠障害:
スマホのブルーライトは、睡眠を誘発するメラトニンの分泌を抑制し、脳を覚醒させてしまう
④IT企業のトップたちが守っている秘密
スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツなどのIT業界の成功者たちは、自分たちが作った製品の危険性を熟知しており、自分の子供にはiPadやスマホの使用を厳しく制限していたという事実は示唆に富んでいる
⑤私たちができる対策(デジタル・デトックス)
スマホの悪影響から脳を守るための具体的な方法
・運動をする:
運動はストレスを減らし、集中力を高める最強の対策
週に3回、45分程度の運動が推奨されている
・物理的な距離を置く:
集中したい時や寝る時は、スマホを別室に置くことが効果的
・設定の変更:
全ての通知をオフにする、画面をモノクロ(白黒)にするなどの設定変更も、脳への刺激を抑えるのに役立つ
★結論
「スマホに使われる」のではなく、自分たちの生物学的な特性を理解した上で「スマホを賢く使い倒す」ことが求められる
Posted by ブクログ
1日のスクリーンタイム何時間ぐらいですか?
私は大体4~5時間。
1日にこんな長時間スマホを見ている自分が嫌になったのと,今月生まれる我が子とスマホの付き合い方について考えたかったのがきっかけ。
最近,ごはん屋さんでよく目にするのが中学生ぐらいの子がスマホをずっと見てて,一緒に来ている親と一言も話さない状況。
すごく違和感。親御さんはさみしくないのかな,って勝手に気になってた。
そもそもなぜここまでスマホに依存してしまうのだろうか。
この本では脳の構造からこれまで行われてきている研究をベースに最終的な対抗策まで記載。
総じて勉強になったし,自分自身も中高生の時には感じなかった集中力の欠如や注意欠陥な部分がスマホ依存によるものかも,と気づかされた。
以下,内容を整理する。
まず前提として現代社会に生きる我々の脳は狩猟採集時代から変わっていない。
なのですべての行動がちょっと大げさな感じがするが,「生き延び,遺伝子を残す方向」へ自分を動かそうとするようになっているらしい。
そのちょっと現代にはスペックオーバー?な脳をハッキングするように仕組まれたのが「スマホ」なのである。
私たちが依存性を感じるのも無理はない。
特に依存性には「ドーパミン」という脳内物質がキーワード。
ドーパミンの役割は一言で言うと「祖先を生き延びさせ遺伝子を残させるために行動を促す」。
そのからくりとはスマホの通知音が鳴ると「何か重大なことがあるかも」と脳は期待をする。そうなるとドーパミンは放出され,スマホに集中せざるを得ない。
スマホを手にとり,画面をスクロールするとますますドーパミンは「もっと新しい情報を!生き延びるための重大なことを!」と情報探索行動を促す。
こうしてまんまと私たちはスマホを手放すことができなくなる。
加えて面白いのが,スマホを無視することは能動的な行為で脳のリソースをさくようだ。
ポケットにスマホが入ってるだけで注意散漫になってしまう研究結果もあるよう。
そんなスマホを作ったスティーブ・ジョブズは自分の子供にスマホの使用を制限させていた。
あのビルゲイツも子供が15歳ぐらいになるまでスマホを買い与えなかった。つまり,その依存性をわかってた(怖)。
特に10代の子供はまだ自分の衝動をコントロールする機能が未発達のため,自分でスマホ使用を止められない。
私がごはん屋さんで見た子供たちはやめたくてもやめられない状況だったのかもしれない・・・。
スマホでマルチタスクになってしまう弊害も言及していた。
というのもドーパミンがマルチタスクを推奨するらしい。
なぜならばこの世のあらゆる刺激にすぐ対応できるよう警戒態勢を整えておく必要があったからだ。
そんなマルチタスクは集中およびワーキングメモリ(短期的な記憶みたいなやつ)を低下させる。
私が現に感じている注意散漫,産婦人科の呼び出し番号さえ覚えられないことも説明がつくはず(笑)
以上,つらつらと述べたがスマホ依存の対抗策はなんだろうか。
「運動」。もう簡単に言うと睡眠不足を解消できるし,脳の活性化にもってこいなのだ。
実際にスマホ依存を解消するために運動を取り入れている海外の学校もあるらしい。
予想通りの対抗策で拍子抜けしたが,意外と運動を週に3回程度45分を取り入れるのは結構難しい。
でも運動した後の脳の爽快感は何度も経験している。私もやってみるか~
本書ではSNSにも言及していた。スマホとの付き合い方に悩んでいる人はぜひ手に取ってみてほしい。
私は娘にスマホを買い与えたくないと思った。私みたいにあほんだらになってほしくないからね★
脳の仕組みについて学べた
スマホ脳というタイトルの本だが、私にとっては、脳の仕組みについて学べたことが大きかった。
自分の決断の間違いについて悩んでいたタイミングで、この本に出会うことができた。
脳の仕組みについての説明を読んで、いくつか腑に落ちる部分があっただけでも、この本を買ってよかったと思う。
Posted by ブクログ
現代人の脳機能は、狩猟時代と変わらないらしい。つまり、外敵や未知のものが近づくと脳が危険信号を発し体を緊張させ(長期間続くとストレスが溜まる)、飽食の時代でも飢餓に備え必要以上に食べたいというカロリー摂取欲求を抑えられない(結果、糖尿病や肥満が増える)。
スマホの弊害については、実はスマホ機能の拡充ぶりが速すぎて、研究自体が追いついていない状況。
しかし、ITの最前線にいたスティーヴ・ジョブズやビル・ゲイツなどは既にその中毒性に気づいていた。彼らの感覚的な危険性の理論的裏付けを試みたのが本書の肝。
以下は、私の備忘録。
・人前で喋る恐怖も、進化の過程で「失敗して共同体から追い出されないこと(仲間外れ回避)」が脳にとって重要だったから→過剰な危険察知能力でもある
・フェイスブックの《いいね》は、利用者の承認欲求を満たし、スマホ依存を助長する
・IT会社は、いかに利用者のスマホ利用時間を増やせるかを研究→スマホ依存症が増加
・ブルーライトの青は、私たちの祖先にとって晴れ渡った空から降ってくるものだった。睡眠物質であるメラトニンを作るな、油断せずに警戒を怠るな、と脳は指令を出す→睡眠不足もしくは睡眠の質の低下
・これらの負のスパイラルを断ち切るには、スマホは必要最低限の使用とするのと同時にとにかく体を動かす(週2時間で良い)
・筆者の不調改善策は、睡眠を優先し、身体をよく動かし、社会的関係を作り、適度なストレスに自分を晒し、スマホ使用を制限する
・幼児にタブレット学習が向かない理由は、記憶力や集中力が低下するため
現代人にとってスマホは生活に無くてはならない存在となっている。しかし、その利用時間を制限することで依存性を低減し、よりよい睡眠が確保できるとしたら…もちろん選択するのはあなたです。