【感想・ネタバレ】しくじり家族のレビュー

あらすじ

葬儀はカオス。
耳が聴こえない、父と母。宗教にハマる、祖母。暴力的な、祖父。
ややこしい家族との関係が愛しくなる。
不器用な一家の再構築エッセイ。


“ぼくの家族は誰も手話が使えなかった。聴こえない父と母の言語である手話を、誰も覚えようとしなかった。祖母も祖父も、ふたりの伯母も。唯一、家族のなかでぼくだけが下手くそなりにも手話を自然に習得し、両親と「会話」していた。(本文より)”

聴こえない両親に代わって、ほんの幼いころから「面倒を見る」立場になることが多かった。大人からの電話も、難しい手続きも、わからないなりにぼくが対応するしかなかった。家に祖母の友人などが集まり、楽しそうにしていても、母は微笑んでいるだけだった。社会から取りこぼされてしまう場面が多い母を見て、いつも胸が締め付けられた。どうしてみんな母のことを置き去りにするんだろう。“ふつう”を手に入れたかったぼくは、“ふつう”を擬態することを覚え、故郷を捨てるように東京に出た。それなりに忙しい日々を送っていたある日、滅多に帰省しないぼくの元に、伯母からの電話があった。「あのね、おじいちゃん、危篤なの」……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者は、家族関係が複雑で、家族が疎ましく、関わるのに尻込みしていましたが、祖父の喪主を務めることで、少しずつ自分を取り巻く家族への思いが変わっていきます。

最初、家族をまるごと疎ましく思うなんて冷たいと少し思いました。でも結局は、そんな家族を受け入れる気持ちに至った著者は優しい人なんだなと思いました。

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2023年09月08日

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