あらすじ
コロナショックによって世界経済が大きく落ち込むなか、GAFAをはじめとするグローバル企業は依然として強さを誇っている。なぜ日本との差がここまで開いたのか?それは、日本がイノベーションを起こせないこと、そして、そのための人材を輩出できる社会になっていないことに尽きる。イノベーションが起こりやすい社会は、どのように設計すればよいか。イノベーションを起こせる人材を、どのように育てればよいか。著者が実践している新しい教育と、自身の研究者としての来歴を通して、「イノベーションを起こすヒント」を探る。世界に先駆けてIoTのコンセプトを提唱した稀代のコンピュータ学者が、日本の進むべき道を指し示す一冊。
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Posted by ブクログ
いかにアイデアを生み出すか、という話かと思ったら、全然違った。1章は以前に読んだIoTの本と似ていると思ったら、同じ作者だった。2章からは、自分で作った大学の話、自分で作ったシステムの話で、すごい。
Posted by ブクログ
新しい技術を使って世の中を良くして行くには、これまでのやり方を変えて行く必要がある。日本の政府、企業ではこれまでのやり方を残しつつ新しいやり方を足していくので複雑なシステ厶になりイノベーションが進まないというのに納得。
Posted by ブクログ
ネット時代の今日、イノベーションを起こすには?IoTを先導してきたコンピューター学者が、イノベーションを起こす上での日本の問題点を挙げ、この国を変えるためのヒントを示す書籍。
「イノベーション」は、日本では「技術革新」と訳されることが多い。
だが、本来は「経済活動において利益を生むための差を新たにつくる行為」という意味。利益を生むなら、その“差”は技術革新によるものでも、原料の調達先を変えて価格を下げたことによるものでも、何でもいい。
IoTの時代における変化の本質は、次の3つにある。
①オープン:
他者と連携、共有し、資源を効率的に利用しながらエコシステムを作り生産性を高めること。
こうした全体最適を実現する経済が基本となる。
②マッシュアップ:
異なるコンテンツや技術を組み合わせて新しいサービスをつくること。
ネットワーク技術が進化した今日、色々な人とつながれば、これが簡単にできる。
③ベストエフォート:
可能な限り努力はするが、結果は保証しないということ。
「柔軟性」や「自由度の高さ」が長所で、大きな変化に強靭に対応できる。
法律には、大陸法(できる限り法律で決める)と英米法(法律で決めることは最小限にとどめる)という2つの体系がある。
大陸法を採用する日本では、法律に書いていないことはしてはいけない。一方、英米法を採用するアメリカなどは、まずやってみる。よってスピードも速く、チャレンジも多くなる。
IoTの時代、セキュリティーは最重要課題で、個人情報は厳重に秘匿されるべきだ。だが、病歴の類などは、匿名化されたビッグデータにすれば皆の役に立つ。こうした点を踏まえ、公共とプライバシーのバランスの問題として議論すべき。