あらすじ
「でも…」「でも―」と、何でも欠点を見つけ否定する一流好みのオザワさん。そんな彼女がフツーの店での飲み会に行ったから大変!(「でも女」)小学校で、中学校で、高校で、大学で、大人になって……幾つになってもついてまわる女同士のしがらみを、明るく描く女の友情物語10編。
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Posted by ブクログ
目次
・姫だるま
・隣小姑
・キャンパスの掟
・忙中花(ぼうちゅうか)
・エンドレス・リング
・妖精のパンツ
・でも女
・ママチャリ部隊
・お茶の味
群ようこのエッセイは、面白いと思って読んだことはある。
小説は…読んだことはあるはずだが、全く覚えていない。
印象に残っていない。
この短編集に関していえば、はっきりと「つまらなかった」と言える。
最初の『姫だるま』は、いい意味でも悪い意味でも目立たない存在の女子3人組に、明らかにどんくさい少女が混じったことで起こる、学校生活のあれこれ。
ちょっと迷惑に思いながらも、見捨てることもできずというか、自分たちで守ってあげなきゃってなっていく流れは「ふんふん」と読んでいたけれど、彼女の実家の豪華さとイケメン兄の登場で、ちょっと鼻白む。
でも、専業主婦とキャリアウーマンとか、都会のお嬢様と地方出身の庶民とか、極端なモデルを対比させて、そこにユーモアとかペーソスとかを感じさせようとしているのかもしれないけれど、私にはハマらなかった。
極端な設定のなかの日常は、わりと好き。
でも、日常の中の極端は、リアリティの後ろ盾のない極端は、頭で考えただけの張りぼてに見えてしまう。
もしかするとバブル時代の狂乱外にいた私には実感を持てないだけで、「あった、あった」と共感する人は大勢いるのかもしれないけれど。
表題作の『でも女』。
私は『でも、女』だと思っていたけど、『「でも」女』だった。
何に対しても「でも」と否定して、周囲をしらけさせる人。
正直言って私の身近にもいるけれど、あんな風にみんなで報復するなんて考えられないなあ。
ちょっとイラっとすることはあるけれど、悪気はないのだから、一つの意見として聞き流せばいいのでは?
わざわざ事件仕立てにする方が、不快。
なんともう30年も前の作品なので、しょうがないと言えばしょうがないのかもしれないけれど、女性が女性のことを「あんな女いるよね」で「あるある」で笑うという構造が、好きではない。
ようやく女性お笑い芸人が「あんな女あるある」と「容姿いじり」じゃないネタで出てくるようになった今、この作品集はもう、時代遅れなんじゃないかとも思う。