【感想・ネタバレ】認知バイアス 心に潜むふしぎな働きのレビュー

あらすじ

「なぜあの時あれを見逃してしまったのか」「なぜこんなものを買ってしまったのか」「どうしてあんな簡単な問題が解けなかったのか」---誰しもが日常的に経験しているであろう、なぜか誤って認識したり、いつもならするはずのない判断や行動。それはなぜ起こるのか。このようなふつうの行動に現れる心の働きの偏り、歪みのようなものである「認知バイアス」について、わかりやすい事例を挙げて解説します。
認知バイアスという言葉は、一般的にも時々使われるようになってきて、なんだかよくわからないけど間違ってしまった、おかしなことをしてしまった、というときに認知バイアスという言葉で片付けようとする安易な解決も見られがちですが、著者は、「知」を身体、社会、感情、環境なども取り込んでトータルな人間の理解を深めようとする認知科学に基づき、理論的に分析しています。また、なぜ誤るのか、そして誤ることには意義があるのか、それは何なのかを解き明かします。
認知メカニズムは、ある状況では賢い判断をするように働き、ある状況では愚かな判断を生み出す。つまり人間は賢いようで愚かで、愚かなようで賢いものであるということがわかる1冊。
第1章 注意と記憶のバイアス:チェンジ・ブラインドネスと虚偽の記憶
第2章 リスク認知に潜むバイアス:利用可能性ヒューリスティック
第3章 概念に潜むバイアス:代表性ヒューリスティック
第4章 思考に潜むバイアス:確証バイアス
第5章 自己決定というバイアス
第6章 言語がもたらすバイアス
第7章 創造(について)のバイアス
第8章 共同についてのバイアス
第9章「認知バイアス」というバイアス

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Posted by ブクログ

ネタバレ

改めて人間はバイヤスだらけなんだなと思った!
色眼鏡をかけてる自分に気づけるかどうか。
自覚できるかどうか。
知識として分かっても難しいなぁ(笑)
それにしても、人間の脳は面白い。
自分が見ている世界を疑う(いい意味で)ことを忘れず、とらわれない自分でいたいな。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人や自分のバイアスに興味が出て、たまたま見つけた本書。
具体例や様々な文献を元に書かれたもの。各章ごとに参考文献が載せられている。今後、気になる文献を読み進めて、自分の理解を深めていきたい。

最も恐ろしいと感じたのは共同におけるバイアス。
多様性が謳われる現代。個人的には、集団における個々のバイアスが面倒で疎ましい。そういった部分について語られているのかと思えば、そうではなかった。共同体としてのバイアスがメイン。他者は人をおかしな方向へ導く。不合理、非道徳的な集団意思決定を生み出す。

以下、「」本書p.218より
「人の知覚はとても限定的だし、記憶も儚く脆い。知性の根幹をなす概念も時にわずかなサンプルから作り上げられ、偏見や差別を生み出す。・・表面的な特徴に惑わされ、本質を見損なうことがある。
人間に固有の言語。記憶や思考の阻害。
・・人を愚か者だと断定してしまうのは、それ自体もバイアス。」
★疑う意識。「事実」を「事実」の問題としてとらえたい。想定とは違う問題を解きたい。批判的思考:前提を鵜呑みにしないスキル。学校はどんな無茶な前提でも文句を言わず認めることを促してしまう隠れたカリキュラムである、これは昨今よくいわれる学校教育のことだろう。
★創造のための方法は単なる錯覚。誰しも創造的になりたいと考えている。方法で生み出されたものはもうそこで方法ではなくなる。急には起こらない。過去の天才(作曲家など)も、イノベーションを度々起こしていない。イノベーションはサーフィン。時代、他者、タイミング。個人の頭の中で済むものでもない。

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将来は何が起こるかわからない。100年の変化はけた違いのスピード。どうも人はなんでも一次元上に並べたくなる傾向だが、それはやめたほうがいい。・・・
変化のスピードは速い、予測不能な将来。その準備に相当な道具、自分の経験を積んでおきたい。この道具が俺より賢いかなどという意味のない疑問はやめて、さっさと使うこと!と著者は言う。
脳活動という物理的、生理的な過程に支配された私。脳というご主人に仕えるロボット。無意識や直感の実態、裏の裏を嗅ぐ意識の大切さ。難しく感じるが、私の体というロボットの経験値を上げていきたい。

このよう残しておける言語は便利。
けど、たまには、この便利な言語の存在から離れる時間を作りたい。大切にしたい。とも感じた。

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2022年05月08日

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