【感想・ネタバレ】ニギハヤヒと『先代旧事本紀』 物部氏の祖神のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年03月29日

以前、森浩一先生の本に「先代旧事本紀」にあるニギハヤヒ(饒速日)の東征が「古事記」の神武の東征の記述のモデルになっているのではないかとあった。古事記の記述より詳しいのだという。

個人的な関心だが、僕の出身の南房総、安房の国は、忌部氏が四国の阿波から移住して国造りをしたと云われている。忌部氏の移動は...続きを読む東征が契機だと思う。
神武の実在は信じられなかったのだけど、森先生の本にニギハヤヒの東征に従った氏族に忌部氏の名があるので、成程と興味を持った。
残念ながら「先代旧事本紀」は素人に読めるものになっていない。

どうせ妄想逞しいトンデモ本の類とだろうと思ったけど、兎も角「先代旧事本紀」について知ろうと読む。前半は、中々面白い。しかし、「先代旧事本紀」を古事記、日本書紀と同列にしているのが引っ掛かった。第3章から偽書と云われていることも書かれているが、話の順が逆だと思う。

物部氏の私記であったと思われるが、国造本紀の記述の細かさや内容から古事記に先行するものと考えられる。内容も日本書紀よりも古事記とかなり共通している。
ちなみにかなりの長い間、古事記も偽書と云われていた。古事記は恐らく、持統天皇のために藤原不比等が作った私記なんだろう。
さて、そうなると物部氏が神武の神話を記述をしているのが不思議だ。架空の神武の熊野侵攻を物部が述べる理由があるのだろうか。古事記の作成に物部氏が関与した?まさか。

ニギハヤヒは神武との戦いの早々に無くなり、幼児だったウマシマジが裏切者ナガスネヒコを討ったという。これも不思議な話。

後半のトンデモ部分はまあ、ふ~んと読んだけど、特に感想は記さないで置く。

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