【感想・ネタバレ】群島の文明と大陸の文明のレビュー

あらすじ

日本は群島の文明である。それは帰納的(反演繹的)思考、経験主義(反理念・反理性主義)、そして反超越主義などによって規定される。日本に特殊なものではなく、これらの特徴を欧州で最も強く持っているのはイギリスである。群島文明は、大陸の文明を移入しながら、それを島の力で相対化・分解しつつ、風土や文化に合わせて再構成する。さらに日本における群島文明は、「もののあはれ」や「美」という感覚を非常に重視する。大陸文明は、普遍主義・理念主義・本質主義・超越主義などを基盤とせざるをえない傾向を持つ。政権を維持するためにもそれを打倒するためにも、超越的な神・理念・価値を必要とする。日本が理念性・超越性に自己を同一化させてしまうと、戦前のような全体主義となる。東アジア文明の理解のために、必読の一冊!

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Posted by ブクログ

著者は東アジア哲学を専門とする大学教授。
群島と大陸という対比で日本の文明に切り込む。著者によれば、大陸が一神教に代表される汎霊論が跋扈しているのに対し、日本はアミニズムが残っている。アミニズムとは普遍的な定義で規定することができないことを受入れ、皆の感性によって合議すること。
個人的解釈だが、汎霊論が規定にそって白黒だけで分けることに対して、アミニズムが灰色も受け入れということ、なのか。
哲学が好きな人にとっては面白い書籍かも。

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2022年10月30日

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