あらすじ
元祖いてまえ男のガムシャラ野球人生。他人の3倍がんばった! ーーエースで四番。甲子園優勝投手としてプロ野球入りし、18年間活躍した金村義明。その負けん気の源は、在日三世の生い立ちにあった。優等生だがやんちゃもした学校時代、挫折と栄光の現役時代、そして家ではゲンコツ教育を実践する正しき親父となる。出身球団、近鉄消滅に、球界再編を熱く斬る新章を追加!
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Posted by ブクログ
卒論のために、と思って読んだ本だったけど意外に面白かった。彼の現役時代を知っているけど、在日であることを知ったのはもっと後で、当時どんなことを考えて選手生活を送っていたのか、ということが垣間見れて楽しめる。私自身は別に差別心を持っていないけど、あぁ、在日だったんだな、と改めて考えさせられた。題名の割りに全く重いものではなく、軽く読むことが出来て良い。
Posted by ブクログ
野球にまったく興味・関心がないので金村義明という人のことを知らずに、書題が目に留まって読んでみた。この本が出た頃、日韓共催のワールドカップがあったり冬ソナが社会現象になったりして、いまとは雲泥の差であると同時に過去にもないくらい日韓の距離が近づいた時期だったよね。だからこういう本ができたのかな。もちろん当時、金村さんが野球解説者などとして活躍していたこともあるんでしょうけどね。いまじゃ、こういう本できないような気がする。日本が狭量になり過ぎて。
キム・ウィミョンの半生記は愉快痛快。野球も勉強も普通にやってたらよくできて……みたいな順風満帆さ。一方で、在日として生きる不条理や怒りもところどころある。でもそこが恨みつらみにならずカラッと書いてある。野球人生にしろやんちゃ騒ぎにしろ、自分で勢いつけて恨みつらみ言わずに豪快に生きていく人なんだろうな。そのパワーで人生がちゃんと切り開かれていくようだったり、窮地でも物事が最終的にはうまい方向にいってる感じで、こういう勢いで生きていくってのも大切だよね。
あっぱれなのは、お母さんのすごさ。ままにならない生活のなか、よくもまぁここまで真摯かつ豪儀に生きられるなあ。朝鮮半島の人たちの定石ともいえるけど、ここにもいらっしゃったか、って感じ。