【感想・ネタバレ】春の消息のレビュー

あらすじ

東北各地の霊場を探訪し、日本人の死生観をさぐる。盛夏から晩秋、そして初冬へ──。作家(柳美里)と学者(佐藤弘夫)は、魂のゆくえを訪ねて、東北を歩いた。それは、大震災を経験した人々が待ち望む春を探す旅でもあった。……第1部では、地域に残る生者と死者の交歓風景を、佐藤氏によるナビゲーションと柳美里氏によるエッセイを組み合わせて展開。2人は2016年夏から冬にかけて、青森県五所川原市の「賽の河原・川倉地蔵尊」や、「姥捨て伝説」の舞台となった岩手県遠野市のデンデラ野・ダンノハナを訪ね、中世には納骨儀礼の場であった宮城県の松島などを訪れた。さらに東日本大震災の被災地である福島県南相馬市や警戒区域である大熊町にも足を延ばすなど、東北各県で取材を重ねた模様を、佐藤氏による解説と、仙台在住の写真家・宍戸清孝氏による多数の写真で紹介。第2部には、佐藤氏と柳美里氏の対談を収録。生者と死者の織りなす独自の文化の形成と定着について読み解き、未来に向けた死生観・生死観を語り合うとともに、それぞれが体験した「東日本大震災」と、その後の日々についても考察を深める。

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Posted by ブクログ

柳さんと佐藤さんが東北の霊場を巡りながら対談していく様を、訪れた場所の写真や紹介文を交えながら載せています。
近代以前は、生きている人たちと死者、そしてあらゆるカミが共存していた。でも、近代以降は生と死の間に明確な境界が引かれ、死は、生活の中で可能な限り触れたくないと思われるものに変容していった。
私たちが日常生きていく中で、引き受けずに済むならば直面したくないと思いがちな、死。でも、それは生の中に連続して置かれたものなのだと実感した。
村上春樹とか、平野啓一郎の本の中でも同じようなことが書かれていたのを思い出した。

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2018年01月03日

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