あらすじ
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世界69カ国の民族衣装を約500点の写真からビジュアルで楽しめる!
民族衣装が語る気候風土や民族の歴史と暮らし。その素材や技法も解説。
民族衣装はお祭りや結婚式など、とくべつな機会に着るものであると思われがちですが、そうではありません。
もともと気候や風土、暮らし方などによってその地域の人々の生活に適応する理にかなった形態が生じるとともに、
それが時代や社会状況、さらに異民族の影響などによって変化してきたものです。
民族衣装の形状や文様、素材などには、気候風土ばかりか、民族の歩んだ歴史、
暮らしぶりや思想、思考などが表れておりまさに「服は口ほどにものを言う」のです。 グローバル化によってさまざまなものが画一的になる中、民族衣装は世界には多様な価値観が存在することを教えてくれます。
衣服はただ人を覆うだけのものではなく、「装うこと」で何かを表したり、意味を込めたりする、それは現在の私たちも同じです。
本書では文化学園服飾博物館のコレクションの中から各国の民族衣装を紹介します。
私たちが毎日何気なく着る衣服について、意識を向けるきっかけとなれば幸いです。
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Posted by ブクログ
第一章 民族衣装の基本
第二章 各国の民族衣装
第三章 民族衣装で世界がわかる
第一章
暑さへの対処
腰巻衣…二股パンツでない。歩く時に風が取り込まれる
覆い包む形態…砂漠など極端な乾燥地帯。水分蒸発防ぐ
ゆったりした形態…チュニックなど
衣服の1部を解放…背中や腹部を解放。汗の蒸発促進
風を集める被り物…イラクの頭巾は空気で首回りを冷やす
寒さへの対処
素材の工夫…雪を弾くために毛皮を外側に向ける
体熱を逃しにくい…ポンチョ
開口部を閉鎖…首のつく部分の隙間をしめたり二重に
空気槽の保護…裏地への毛皮の使用
一年の中で気温が違う
日本…羽織を重ねたり、素材を変える衣替え
チュニジア…素材や形の異なる衣服を重ねる
シリア…着脱しやすいベストなど
1日の中で気温が違う
トルコ…ギャザーのパンツは暑い昼の活動時は空気が流動し、寒い夜に活動が少なくなると空気を静止させる
モロッコ…フードの着脱
タジキスタン…大型のターバンで昼は頭に巻き、夜は布を広げて体を覆う
起伏のある山岳地帯…
膝の動きを妨げないため、丈が短いスカート状になる。膝の保護や疲労軽減のため脚絆を伴うことも。
騎馬に適した形態…
袍の前合わせは深い。馬が走ると前が寒いので。スリットやチマチョゴリは騎乗に適する
虫除け…
長くタイトな袖や膝下をたくし上げる。
急所の保護…
ビーズや骨、牙、金属をつかった装身具や帽子。こめかみや首、手首、胸、額を守る。
標識…
属するグループ、既婚未婚、立場を、衣装の形や装飾のデザイン、色などで表す
魔除け…
耳や鼻、背中や髪などにも。鈴などの音、金属や貝などの光、刺繍や紋様など。
〜民族衣装の形式による分類(小川安朗)〜
腰布型…長方形の布で腰回りを覆う。高音多湿な熱帯雨林
巻垂型…幅広の長い布を腰に巻き、その布で腕型や全体
貫頭型…首部分に穴を開ける。ポンチョやセーター
前開型…日本の着物やコートなど
体型型…いわゆる洋服。
第二章
服メイン。装飾品や靴は少ないけど、写真が多く、短いけれど文章がわかりやすい。
第三章
素材、刺繍や染色、色、紋様、カッティング、一枚布の巻き方、紋様の展開、中国の影響、民族衣装発想のドレス、現代服との融合