あらすじ
著者が『黄落』(新潮文庫)で描いた両親の介護生活から解放されたのが65歳のとき。それまでも、5年ごとに新しいことを始めてきた著者は、65歳の誕生日を迎えた時に「今度は何に挑戦しよう?」と考えた。「70歳までに、今やらねば後悔することは何?」と、自問自答する。そこで、頭に浮かんできたのが「英会話」。しかし著者は大学を出ておらず、高校時代も英語が苦手で、50代になってからも英語のテストができない夢にうなされるほど、英語嫌いがトラウマになっていた。そこから一念発起し、3年半で日常生活の会話に困らないほどの英語力を身につけた。本書は著者が駅前の語学学校にかよい出し、カナダ、ニュージーランド、アメリカ3カ国への短期留学を経て現在の英語力を身につける過程を、軽妙なエッセイで追体験できるようになっている。記憶力が低下してくる中高年からでも、英会話はマスターできることを証明する一冊だ。
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Posted by ブクログ
介護を終へて、英語を勉強する
芥川賞とれずじまひ、『黄落』がベストセラーになった作家・佐江衆一の唯一の英語本。電子化されてゐたので読んでみる。
思ひついて、一気呵成に英語を学んだのがよかったやうだ。カナダやニュージーランド、ペンシルベニア大学に短期留学してゐて、お金あったんだなとおもった。
平凡だが楽しい本で、ホームステイの写真付き。
後半では妻を連れて旅行に出かけたりしてをり、充実した英会話の日々が送れたやうでなによりだ。
ホワイトハウスの観覧整理券のために、ひとりで朝4時から並んだともある。ペンシルベニアの茶器の展示で、積極的に周囲のアメリカ人に話しかける著者がほほゑましい。