【感想・ネタバレ】忌物堂鬼談のレビュー

あらすじ

得体の知れぬ何かに追われ、助けを求めて遺仏寺を訪れた由羽希。所有するだけで祟られるという「忌物」であふれた本堂で、住職の天山天空は彼女も忌物を持っていると告げる。何が起きたかをまるで覚えていない由羽希は、天空が調査をするあいだ毎夜寺に通い、忌物に纏わる怪異譚を聞くことになるが……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

忌物(≒いわゆる特級呪物)をめぐるミステリ色濃いめのホラー連作短編集。現在進行形で怪異に苛まれる主人公の憑き物おとしを主軸に、独立した(もちろん最終話への伏線も仕組まれた)3つの短編怪談話が展開される。

「砂歩き」
 とりあえず舞台設定と状況を説明しつつ、主人公が謎足跡&奇声に襲われる。情報を小出しにしてくるので、もしかしてシックス・センス的構造か…と疑ってしまうが、その正体は最終話でしっかり明かされ、杞憂に終わる。

「後ろ立ち」
 古びたアパートを舞台に、一日毎に怪異が近づいてくる、という既視感のある設定だが、伏線の張り方(ノックの位置が低い!) があまりに巧妙&終盤に明らかになる光景(ドアを開けたら…)がとんでもなく不気味で、出色の出来。

「一口告げ」
 様々な電話から怪異が語り掛けてくるというシンプルな構造かつ、別に大したこと言ってくるわけでもないのに、段々狂っていく主人公の生活(特に会社から休暇を勧められる理由を想像すると、怖気が…) が、どんどん読ませる。忌物当てのミステリとしても楽しめる。

「霊吸い」
 こちらも忌物当て。長々続くスプラッタ描写に正直、辟易とするが、作者の過去作からすると、全然物足りないくらいなのかも。

「にてひなるもの」
 主人公を苛む怪異の構造を分析しつつ、いよいよ憑き物おとしに着手。身近な人の声色を真似して語り掛けてくるという特殊能力持ちの怪異は、読み慣れたものではあるが、それでもやっぱり怖い!招き入れてもらわないと家に入れなかったりと、怪異としての定型を踏襲しているからこそ、その恐怖ポイント(主人公がまんまと引っかかってしまう!)に体が反応して、ハラハラしてしまう。ていうか理屈抜きに、今回のラスボス「かつて母親だったもの」が怖すぎる。

悪く言うとキャラ造形や会話の内容が薄い印象はあるが、各怪談がしっかり怖くて出来がいいので、期待通りの恐怖を味わえる満足の一冊。あえて言うなら、お母さんがいつの間にかあっさり死んでしまっているのが残念(さすがにあの状態から生還は無理か…)。そのこと自体、話の枝葉なので仕方ないのだけど、母親の怪死をいち女子高生がそんなにあっさり受け入れて、さっさと次の猫との触れ合いにわくわくする…って割り切りが良すぎるのでは!

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2023年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

三津田先生の新シリーズ。
由羽希を襲う怪異。幼い頃、遊んでいた遺仏寺に助けを求めに。
天空坊主と由羽希の、恐ろしながらも弾む会話は読んでいて楽しい。
黒猫の「黒猫先生」も良き存在。
いくつかの忌物にまつわる話、そして、由羽希を襲う怪異の正体。

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2022年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なにかから逃げながら集落から集落へと移動する由宇希。初っ端からはらはらする
作中でSNSやってたから現代だと思うものの、集落って単語見ると昭和をイメージしてしまう

遠巳って名字、百巳家の親戚かな?そのうち百蛇堂と繋がってくのかな

坊主の天空天空の名前も別の三津田作品で名前見た気がするけど、どの本だったかな

御札はったお堂にこもってひたすら朝をまつ、ってのはホラーでよくあるけど、自分の中では一番怖いし盛り上がる。中に入ろうと襖や障子を揺らして、最後に身近な人の声で話しかけてきて開けさせようとする…でうっかり開けちゃう…
ひゃー!

黒猫先生は、和む

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2025年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

純粋な和ホラーの話。化け物の正体とか、忌物はどれなのかとか、よく振り返るとこれは人間でない証拠だった!みたいなホラー 版のミステリ要素があって、そこが余計に怖さのドキドキを増幅させる。
砂歩きが実は自分自身だったという、オチ自体はよくあるけど解決に至るまでの描写はよくあるそれとは違って、ちゃんと納得のいく解決をみせる。
由布希はどこに泊まっているのか?夜はどう帰っているのか?という謎もあったので、ある程度読み手が気付きながら読み進める。

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2021年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

得体のしれない何かに追われて助けを求めて遺仏寺を訪れた由羽希。
そこには持っているだけで、祟られるという「忌物」であふれた本堂があり、住職の天山天空は彼女が忌物を持っているという。
何も覚えていない彼女は天空の語る忌物の関わる怪異譚を聞かされることになるのだが……。

面白かったです。続きがあるように思うので楽しみです♪

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2020年10月22日

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