【感想・ネタバレ】葬儀屋 プロレス刺客伝のレビュー

あらすじ

「葬儀屋」に狙われた対戦相手は表舞台から姿を消す──。プロレス団体の練習生、梶本は素性不明のサーモン多摩川の付き人となる。ふざけたファイトで不評を買う多摩川の異様な特訓に翻弄される梶本。彼こそ「葬儀屋」だという噂は気になるが……。やがて多摩川と対戦相手の周囲で起こる様々な事件。梶本が向き合うことになる恐るべき真相とは。プロレスの魅力を凝縮したような、強く激しく逞しい物語。

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Posted by ブクログ

2021年7冊目は、黒木あるじのプロレス小説、第2弾。

「強く激しく逞しく」をモットーとするプロレス団体、ネオ・ジパング。その練習生、梶本誠は、プロレスに、強さに悩み、「くだらねえ」と思いながらの練習の日々を続けていた。そんなある日、ネオ・ジパングの創始者であり、代表取締役でもある《リングの皇帝》カイザー牙井から直々に、素性不明のフリーレスラー、サーモン多摩川の付き人を命じられる。サーモン多摩川、彼はコミックレスラー然とした、ネオ・ジパングのスタイルに不似合いな選手であった。

まづは、今作を手にした多くの方は、前作『掃除屋』を気に入った方か、プロレスファンのどちらかではないだろうか。自分は、確実に前者。

前作の路線的なものは、踏襲しつつも、ハードボイルド的部分は大きく後退。サーモン多摩川のキャラも相まって、クライマックス前までは、コミカル寄りの仕上がり。

そして、梶本の悩みの中身的部分は、前作でもちょいちょい見られたが、今作では、クライマックスで一つの結論には至る。しかし、ソレも少し弱い印象。

前作の、女医、奈良に匹敵するキャラの不在。クライマックスが、またもプロレスvs総合格闘技(今作では、厳密にはプロレスなんだけど)的になったこと。個人的には、色々と詰め込み過ぎ感あり。全体的エンターテイメント性は、前作を越えられていない印象。などが★★★☆☆評価の理由(コレを機会に『掃除屋』は★★★★☆評価に修正)。

次作(スピンオフでもイイ)では、ヤンキーマスクvs梶本誠のタイトルマッチを描いてくれないかなぁ?!壮絶なフロントスープレックスの打ち合い。もちろん、ヤンキーマスクのセコンドは、ピューマ藤戸とジンギス・ミカン。梶本誠のセコンドは、サーモン多摩川と根津達彦。

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2021年04月22日

Posted by ブクログ

黒木あるじ『葬儀屋 プロレス刺客伝』集英社文庫。

『掃除屋 プロレス始末伝』が面白かったので、本作も読むことに。長州力が絶賛しているのが不安要素ではあるが……

予感適中。やはり『掃除屋 プロレス始末伝』よりレベルは格段に下がる。『葬儀屋』というからには、もう少しハードな格闘シーンが描かれると期待したなだが、やたら能書きが多く、青臭さを感じた。

梶本はあこがれのプロレス団体で練習生になったものの、筋書きのあるプロレスに疑問を抱き、練習に身の入らぬ日々を送っていた。そんな梶本が耳にした噂。プロレス界に『葬儀屋』と呼ばれる謎のレスラーに狙われたレスラーは抹殺される……

そんな梶本は彼こそ『葬儀屋』だと噂される素性不明のサーモン多摩川というふざけたファイトを繰り返すレスラーの付き人になるが……

ギミックと真剣勝負の狭間、そういう微妙なところを描くのは非常に難しいとは思う。

かつて、プロレスに熱狂していた時期がある。住んでいた町に地方興業があればリングサイドで観戦し、翌日の隣町の興業も観戦したものだ。ところが、地方興業の場合は、相撲の初っ切りみたいな感じで、どの興業も絶対に台本があるなというくらい対戦カードも技の応酬も試合の内容や流れも全く同じで幻滅したことを思い出した。

本体価格680円
★★★

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2020年08月27日

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