あらすじ
男たちは皆、麗しの姉を崇拝し、日陰の妹を蔑んだ――あの騎士以外は。
国王の友人サー・ブライズが、美しい姉に求婚しにやってきたとき、レベッカは純粋な好奇心から、門番に扮して彼を出迎えた。少し言葉を交わしただけなのに、彼女の胸の奥は甘くうずいた。その後、サー・ブライズは、晩餐の席にいる“門番”改め令嬢レベッカに、そして白鳥のように麗しい彼女の姉の姿に、とても驚いた様子だった。姉と違い、私のところへは誰も求婚しになんて来てくれない……。せっかくサー・ブライズに踊りに誘われても、足が不自由なレベッカは断るしかなかった。たまらず礼拝堂へ向かい、思わず切なさを吐露する。「ああ、神さま。どうか私の頭から彼のことを消し去ってください!」すると背後で音がし、人影が――サー・ブライズが、そこに立っていた。
■サー・ブライズが囁くだけでたやすく女性を落とせると噂の騎士とは知らないレベッカですが、彼のとてつもない魅力を本能的に感じ取ります。彼がレベッカを蔑むことなく一人の人間として認めてくれたことで、想いは募るばかり。けれど、彼は姉の求婚者で……。
感情タグBEST3
障害乗り越えハッピーエンド
ヒーローは故あってヒロインの美女の姉に求婚に来ますが、本当は片足の不自由な明るく賢い妹に惹かれて彼女を愛するようになります。
ヒロインの出生にもドラマがあり、結局は絶世の美女の姉も本当に愛する隣国の王子と駆け落ちし最後は大円団。
大掛かりな政治的な背景があって、読み進めながら今後の展開やプロットの深さに期待しましたが、今ひとつ、政治闘争と恋愛軸との間にはハラハラドキドキが欠けていたような印象です。