あらすじ
持っている実力を120%出させることができ、反対に50%しか出せないようにしてしまうもの。それがモチベーションです。これはプロスポーツといった特殊な状況だけに限らず、我々が毎日を過ごす上でのすべてのことに当てはまります。モチベーションの下がった状態、すなわち「日々の仕事でやる気が出ない」「大事な場面で集中できない」…、このような状態では実力を発揮することは不可能です。
では、どうすればモチベーションを上げることができるのか。本書は、最新の研究データと著名スポーツ選手のエピソードをもとに、いかにモチベーションをコントロールするかをまとめたものです。
著者の児玉光雄氏は、鹿屋体育大学助教授であり、「右脳ドリル」シリーズや、イチローや松井秀喜などのスポーツ選手の分析など、数多くの書籍をまとめています。氏の専門であるスポーツ心理学をベースに、モチベーションを上下する環境・心理を5つに分類。「才能・特技」「「ビジョン・目標」「内的/外的モチベーション」「人間関係」「環境整備」という5要素を知ることで、自らモチベーションを高めるためのテクニックを解説します。また、チームとしてモチベーションを高め合うための環境づくり、リーダーが部下のモチベーションを維持させるための方法についても触れた、実践的な一冊です。
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Posted by ブクログ
★読む目的 !
モチベーションについて学ぶ!
★読書方法
並列読書
★メインブランチ
『はじめに』 『脳』 『心理』 『おわりに』
★INPUT
・本当に大切なのは、よくない結果が出た時に、いかにやる気を持続させるか。挫折せず、その中に成功のヒントを見つけられるかどうかが重要。結果指向を捨て、プロセス指向に徹すれば、悪い結果が出ても、やる気を失うことはない。なぜうまくいかなかったのかに興味がわき、どう解決するか、その一点に全力を尽くそうという気になれる。
・世界をリードする数多くの成功者は、必ずしも才能のみによって栄光を獲得したのではない。彼らの共通点は、最高レベルのモチベーションを長期間維持する能力がある。アメリカの調査会社ギャロップ社の調査によると、『得意な仕事をする機会に恵まれている』と答えた従業員比率(平均20%)が高いほど、その企業や組織の業績が上がるとのこと。適材適所はモチベーションを上げ、利益をもたらす。
・ハーズバーグの2要因説
①動機付け要因:達成感、承認・評価されること、仕事、責任、昇進、成長 ※影響力順
②衛星要因:経営方針、上司との人間関係、作業条件、賃金、同僚との人間関係、部下との人間関係、地位、雇用の安定 ※影響力順
満足感を与えるのは①であり、逆に不満を与えるのが②。①は内的モチベーション、②は外的モチベーションに当てはまる。失敗しても、充実感・達成感が得られれば、飛躍の糧になる。
・ワイナーの原因帰属理論
成功、失敗の原因は①内的要因②外的要因③変動的要因④固定的要因に分かれる。
Aの領域(②③)は、自分ではどうしようもなく、時によって様々に変わるもの。つまり『運』
Bの領域(②④)は、『課題の難易性』を表す。
Cの領域(①③)は、『努力』しだいで物事が変わっていく可能性あり
Dの領域(①④)は、『先天的な才能』。努力しても伸ばしようない、生まれつきの才能
Bは外的、Cは内的モチベーションに関係する。着目するのはBとCでAとDはコントロール不可。
・金銭報酬という外的モチベーションからは、一過性の効果しか生まれない。お金に換えられないものや、組織で働いていて、リーダや上司の経験・仕事を通じて身につけられる知識やノウハウ。そういった『エデュケーショナル・リワード(教育的報酬)』を肌で感じられれば、大きな外的モチベーションになりうる。
★ウガンダの感想
モチベーションをを高められない人の共通点の1つは、他人を意識しすぎることだそうです。いつも誰かを気にして『勝った』『負けた』と過剰に反応します。他人に意識がいき、自分に集中できなくなります。自分に意識を向け『自分にとって最高の仕事をやり遂げる気持ち』を持つことから始めましょう!
★一言で言うなら
『モチベーションにはコントロール可能!』
★OUTPUT
・『モチベーションが高まらない』と感じるとき、原因は必ず身の回りのどこかに潜んでいる。原因のありかを知り、ちょっと意識を変えて、行動に工夫を加えれば、高いモチベーションを持続させることが可能。
・やる気のメカニズムを理解する:脳内には、やる気ホルモン(甲状腺刺激放出ホルモン)と呼ばれる神経物質がある。やる気のレベルによって分泌される量が異なる。この神経ホルモンが多量に分泌されると集中力が高まり、やる気を引き起こす。やる気と集中力に関係しているのがA系列の神経回路で、神経伝達物質を分泌させるためには、脳を常に健康な状態にしないとだめ。
・勉強の合間に睡眠をとる:ドーパミン(A10神経から分泌:快感と創造性の原動力。脳を覚醒させる)ノルアドレナリン(A6神経から分泌:意欲にあふれているときに全身を駆け巡る。やる気を支える)を消費した状態だと、頭がぼやっとした状態になり、やる気が落ちる。A系列の神経伝達物質は起床後が最も血中濃度が高い。睡眠をとることで脳内で生成、蓄積される。適度な睡眠がやる気と集中力を高める。その他、適度な運動も神経伝達物質を分泌する。
・モチベーションを構成する6要素を理解し活用する~その1~
①才能・技能(興味や関心、好奇心、自分が今までに積み重ねてきた経験が生かされているとき、人はやる気を感じる)
②ビジョン・目標(ゴールと期限を明確に提示し、士気を高める。目標を設定する最大の意味は、達成するためにでなく、記録・能力・モチベーションを伸ばすため。個人の力量と能力を見極め、適正水準で。高すぎず・低すぎず、達成可能率60%に設定。)
③内的モチベーション(自分の内面、心の中からわき上がるもの、与えられた範囲内で、できることを精一杯する意志を引き出す)
・モチベーションを構成する6要素を理解し活用する~その2~
④外的モチベーション(外部から与えられる報酬、肩書き、評価、名誉など。自分ではコントロールできない、もしくはしにくい)
⑤人間関係(リーダーは部下の人心掌握と、性格を見極めて、モチベーションが高まるようマネジメントする)
⑥環境設定(目の前に没頭できる職場環境の構築、体調管理など)
Posted by ブクログ
読みやすく、スポーツと仕事をメインにモチベーションについて解説している。それぞれのタイプを見つけ、それに合わせたモチベーションのコントロールの必要性を訴えられている。
モチベーションを「才能特技、ビジョン目標、内的モチベーション、外的モチベーション、人間関係、環境設定」6つの構成要素に定義し、解説している。読みやすく、実践的に書かれている。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
モチベーションは自分でコントロールできる!
やる気を増減させる要素「才能・特技」「ビジョン・目標」「内的/外的モチベーション」「人間関係」「環境設定」のそれぞれについて解説し、いかにしてモチベーションを高めるかに言及。
スポーツ選手のエピソードも多数収録、また自己診断チェックも盛り込んだ“セルフトレーニングブック”。
[ 目次 ]
序章(はじめに やる気のメカニズム ほか)
第1章 才能・特技(自分のスキルを再確認する 裁量権を広げる ほか)
第2章 ビジョン・目標(ビジョンと目標は違う 全員がビジョンを共有する ほか)
第3章 内的・外的モチベーション(ハーズバーグの二要因説 達成感がやる気を高める ほか)
第4章 人間関係(チームのために エゴグラム ほか)
第5章 環境設定(仕事に優先順位をつける 起床後五時間に「重要な仕事」を ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
・社員一人ひとりが、余人をもって代えがたい人材を目指して成長し、 会社に貢献していると自覚できた時、オリジナリティのあるアイデアや 技術が誕生し、企業の業績が躍進するのだと思われます。
>すでにビジネスの世界では、総合力のあるジェネラリストより、専門分野に長けたスペシャリストが、重宝され始めている。―日本の企業が生き残る方法は限られていると思います。これからは、高価であっても価値があるものを作れなければ生き残ることができません。そのためには、高度な専門性が必要だと考えられます。
>社員の提案をうまく吸い上げ、上司は的確なアドバイスを与えながら、サポート、フォローする。ボトムアップの手法の浸透が躍進企業のキーワードになりつつある。
>人は、自分の才能を伸ばし、成長するために働き、その結果として会社や組織に貢献している。激しく移り変わる世界情勢…外部からは情報が押し寄せる。内部からの提案も吸い上げなければならない。自分たちの目的、目標と達成するために集める情報も膨大になる。そこから影響度と緊急度が高い情報だけを抽出するのは大変だ。先ず、大変だ!ということを認識し、ならばどうするか?ということについて考える必要がありそうだ。
Posted by ブクログ
面白いか面白くないかで言えば面白いし、読んでてやる気も出てきたし、ためになることも多いんだけど、どうにも首をかしげる所もちらほら。
科学的な説明が丁寧でない、論理展開がおかしい、自己分析用アンケートの項目が抽象的で答えにくい、などなど。
そういう箇所が気にならない人なら、読んで無駄にはならないと思う。薄くてサッと読めるし。