【感想・ネタバレ】オルガスマシンのレビュー

あらすじ

わたしたちは、男のために造られた。

カスタムメイド・ガールたちは、コンクリートの島で造られる。
男たちの妄想と欲望が具現化された姿で。
箱に入れられ、ご主人のもとへと出荷されたカスタムメイド・ガールたちを待ち受けるのは、男による男のための世界の男たち……。
巨大な青い眼を持つジェイド。彼女は人肌を着てセックスさせられ、股間に伊勢海老を装着した醜悪な老人に迫られる。
六つの乳房があり、顎に乳首が付いているハナ。彼女が届けられた先は、ファック・イージー・バー。ウェイトレスとして働きつつ、コイン一枚でファックされる。
猫のような耳と毛皮を持つマリ。彼女のご主人は動物調教師。檻に入れられキャットフードを与えられ、鞭で獣として調教される。
乳房が引き出しになっている重役用娘のキャシィ。ボスの煙草入れとして、パーティで愛想を振りまきながら、乳房に詰められた葉巻を提供する。
人間(HUMAN)すなわち男(MAN)である世界で、苛烈な運命に翻弄され、心を失い、絶望の果てにカスタムメイド・ガールたちは手を握った。

いま、破壊する。


「ワトスンが活き活きと描写しているのは遠い未来であり、そこでは人間はある性的な仕様書に合わせて育てられている。(中略)われわれ読者は無垢を頽廃と戦わせる文学の偉大な伝統の一つへと接続されてゆく。闇の中を手探りで進んでゆくジェイドは、ポーリーヌ・レアジュの『O嬢の物語』で無名の愛具がたどる道をふたたびたどっているようでもある。そしてそのキャラクターを置く舞台を生出すにあたって、ワトスンはシュールレアリズムの家具を借り、カフカに比べても異常で信じられないものと私には感じられる未来の映像を作りだしている」
――ウィル・セルフ

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Posted by ブクログ

ネタバレ

二階堂奥歯さん「八本脚の蝶」に収められていた書評で本書を知り、読みました。
製造された少女たちは注文者の望みどおりにカスタムメイドされ、愛玩の後に引き払われ、使えなくなるまでとことん使い尽されてポイ…それをするのはもちろんMAN。
女性が男性に身体改造されて隷属している世界。フィクションだから極端で酷く悪趣味(そこはかとなく漂うマンガチック…)だけれど、「男性が女性の身体について定義する」というのは現実世界でも起きていることだな…と、読み進めていく裏で考えていました。

女性も一枚岩ではない。でも、新しい世界への柔軟性は高い。
隷属を是としない。考える。カスタムしてまで支配する世界は極端だけれど、カスタムせずに従わせる時代はじわじわと近づいてきているから。でも、子宮移植はカスタムだと言えるかも。

と、堅苦しく考えてしまうけど、カスタムメイド・ガールたちが自分たちの力で解放していく様は痛快でした。虐げられる描写は

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2025年03月25日

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