【感想・ネタバレ】言ノ葉ノ花《コミック版》(上)【電子限定おまけ付き】のレビュー

突然人の心の声が聞こえるようになってから、人間の表の顔と心の声とのギャップに苦しめられてきた余村が、自分に想いを寄せる同僚・長谷部に心惹かれていくわけなのですが、真面目で無愛想と思っていた同僚が、自分が笑った瞬間に「笑った顔 いい」なんて心の声が聞こえてきたら、ほだされちゃって当然ですよね……!

プロポーズした彼女の残酷な心の内や、友人だと思っていた前職の同僚の内心の裏切りによって、深く傷ついていた余村を真っ直ぐな長谷部の心の声が癒やしていく――その過程がゆったりしたテンポで描かれていて、2人のいじらしさに胸キュンが止まりません! 
中でも、初めてのキスをしながら「好き」「好きだ」という心の声が聞こえてくるシーン、悪意ある心の声にばかり触れてきた余村がどれほど癒やされたことか……。互いの身体を触り合ったときの、「好き」「かわいい」ビームもけしからんです。あんな心の声を浴びせられたら、普通よりも気持ちよくなってしまうのでは……?(妄想)

原作小説には、『言ノ葉ノ世界』、『言ノ葉ノ使い』(ともに新書館)という続編が。いずれにも本作の主人公・余村と同じく心の声が聞こえる男性が登場します。
「心の声が聞こえる」というファンタジー設定から、人の心の複雑さと、それを信じて愛することの難しさ尊さを描き出した本作。続編のコミカライズも座して待ちたくなってしまいます。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「言ノ葉」シリーズ一作目を、原作でイラスト担当された三池ろむこセンセがコミカライズ!!
砂原糖子センセのファンになったきっかけが、このお話でした。当時のBL小説では、圧倒的に設定が斬新で衝撃的で、でもとても萌えるものがあり…ボロ泣きした記憶があります。

人の心の声が聞こえるようになってしまった余村は、そのせいで人間不信になり、恋人とも別れ、前の会社も辞め、現在は家電量販店の契約社員として勤める身です。
猜疑心と不安に苛まれる中、自分に好意を持っているらしい同僚の長谷部の心の声を聞いてしまうのですが、彼の裏表のない心の声に次第に頑なだった心が解きほぐされていきます。

人が何を考えているのか気になる時もありますが、心の声が聴こえるという特殊能力は断じて要らないです。余村見てたら、ほんとに正気で生きていける気がしない…
人の本音なんて知ったら怖すぎです。
そんな余村がノンケでありながらも、嘘のない言葉しか持たない真っすぐで正直な長谷部に心を動かされてしまったのも頷けるのです。
最初は気持ちが弱っていて自分を好きだと確信できる相手についすがってしまったのかなと思ったんですよね。でも、どんどん余村が長谷部のことが本気で好きになっていくのが伝わってきて。
すぐ真っ赤っ赤になっちゃう恥ずかしがり屋の余村がかわいすぎでした。

コミカライズって、今まで想像していたことがちゃんと絵で表現されていて、やっぱりって思うところとかこういう風だったのかと思うところとか答え合わせみたいにあって良いなと思いました。風化していた原作読んだ時の気持ちが蘇ったりとか…楽しいです。
このまま下巻に!読み応えたっぷり。

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2020年09月03日

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