【感想・ネタバレ】満州事変 戦争と外交とのレビュー

あらすじ

泥沼の十五年戦争は、なぜ、どのように始まったのか? 端緒である1931年の満州事変と翌1932年の上海事変は、中国北洋軍閥間の争いの混乱に乗じた前者、民族的抵抗の形成を見た後者と、それぞれ異なる性格を有している。両者について経緯を詳述し、さらに5年後の盧溝橋事件による全面戦争展開へつながる時代の流れを示す。その時内閣は、軍部は、日本の世論は、列国や国際連盟の反応は、両国各部隊の進路は――? イデオロギーを排し、史実のみを丹念に追うことで中国侵略の発端の全貌を明らかにする、近代史研究における古典的名著。(原本:中公新書、1974年刊)

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Posted by ブクログ

柳条湖事件~満州国成立までの約半年間を詳細に記載している。かなり細かい内容になっているため、大まかに流れを把握してから読むべきであろう。
歴史の教科書では満州事変に関して、数行程度しか記載がない。取り上げられるとしても柳条湖事件、満州国、リットン調査団といったところか。国際関係の破綻を決定的なものとした、第一次上海事変すら扱われていない。
新しく学んだことで最も意外だったのは、日本に対して欧州、欧米各国が必ずしも批判的ではなかったということ。読前の知識では、中国への進出=各国からの批判の応酬、と思っていたがそういうわけではなかった。柳条湖事件~満州国成立までの半年間で目まぐるしく状況は変わっていた。この時代を短絡的に捉えることはできないと再認識した次第

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2021年01月07日

Posted by ブクログ

非常に細かいことを書いているので、全体像を掴むには緒方貞子の本の方が良いかもしれないが、これも出典がしっかり書いてあり良書だと思う。

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2020年12月16日

Posted by ブクログ

日本の満州支配の一連の流れを学び直せるが、著者の主張が大変偏っているため、取り扱いには注意。

満州支配の歴史書は難解なものが多い中、全体の大枠と詳細のバランスがよく、流れを掴むには最適。
しかし、著者は因果関係による歴史解釈を駆使して、日本は悪くなかったという歴史観を培ってきいる。主張には、根拠が浅薄なことも多く、我慢ならないことも多い。
ただ、日本の自虐史観をメタ認知すること、そしてその形成の歴史に関する極端な一意見を参照できるという意味では読む意義はあると思う。

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2025年04月14日

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