【感想・ネタバレ】江戸・東京水道史のレビュー

あらすじ

徳川氏入国以降中心都市となった江戸では、拡大する市街に上水を供するため、すでに独創的な工夫を絶えず続けていた。東京と改まってのち、明治20年の横浜に始まる近代水道は同31年に東京でも通水を開始する。以来日本の首都として急速に発展した東京は、震災、戦災、水害、渇水、地盤沈下、断水と度重なる危機をどう乗り越え、発展してきたのか。家康が家臣に命じ小石川の上水を引いてから淀橋浄水場が「跡地」となるまで、供給側と市民生活の変貌を描く。戦前より長年、東京都水道局で実務に携わった著者渾身の「水道の文化史」。(原本:『水道の文化史』鹿島出版会、1981年刊)

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Posted by ブクログ

タイトルには江戸とありますが、内容的には東京都水道局100年史という感じの本です。玉川上水などの素掘りの水道しかなかったところから今の利根川まで使った大規模な近代水道網に至る歴史を職員さんの目線で書いているますが、東京の拡大とともに面的にも質的にも拡大していく様子がよく解ります。そういえば80年代までは渇水が良くありましたが最近は渇水を聞くことも少なくなって、本書では書かれてない直近30年間も水道の拡充は続いているのですね。

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2023年03月09日

Posted by ブクログ

 水道関係の仕事があるとか、ではないんだけれど、このところ続いていた“水道本”はこれが最後。本書は江戸時代から昭和50年代までの東京の上水道史である。

 玉川上水、淀橋浄水場、溜池……、存在と名前は知っていても、詳しい中身は知らなかったのだが、本書でその全体像が分かった。鉄管も消毒剤もなかったころ、きれいな水を市街地まで届けるのは大変な苦労があったと、改めて実感。ポンプとかなかったころに、ちゃんと流れる水道システムを造った先人は本当に凄い!

 水道の料金システムもなかなか興味深い。江戸時代は、武家は石高、町人は小間割り(こまわり→小間は江戸時代に幕府が町人の屋敷地に対して、公役を賦課するときの基本となる広さで、1小間=20坪)。明治に入って作られた近代的な水道では、放任制(定額制→一般の人)と計量制(従量制→大量に使用するところ)が使われたようだ。やはり定額制だと無駄に使ってしまい、問題になっていたようだ。

 現代では水道局や水道システムが原因で断水となることはめったにないが、昔は人口増で需要と供給のバランスが崩れてしまうことはよくあった。

 そういえば、昔はテレビで「しばらくお待ちください」と表示されたまま放送が止まってしまうことがあった。変なことを思い出した。

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2021年01月18日

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