あらすじ
突然の火星緑化をもたらしたのは一人の女性の無意識だった…。地球・火星をめぐる近未来恋愛SF作品。第5回日本SF新人賞受賞作。
「俺、クローンだよ」「キョウイチも?」「も?」「うん。わたしもクローン」…。医療ナノマシン機器メーカーに勤務するキョウイチは、仕事のために訪れたカウンセリング施設で、研修生のユンとその恋人マークに出会った。キョウイチは、天衣無縫なユンに次第に惹かれていく自分に気づく。そしてこの懊悩は、お互い共に、“オリジナル”ではないことを知り頂点を迎える。やがてユンは、臨床心理エンジニアとして赴任するマークと一緒に、火星へと旅だった。その半年後、火星は突如として緑の星に変貌し、独立運動を背景とする反乱が勃発する。キョウイチは連絡の途絶えたユンたちを探すため、軍に同行し、火星へと赴く。そこは、思念が現実化する、異様な世界であった…。第5回日本SF新人賞受賞作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前半のナイーブさのない心理描写が何とも心地よく、後半は、なんだかロボットアニメみたいな展開になってて何とも面白かった。
delivery に比べるとわりかしまとまってる印象がある。
こんなに感性的に合うSFはなかなか無く、文庫本になっていないのが何とも悔やまれる
Posted by ブクログ
まずは、「本」になっていることの感動を、此処に記させてください。デビュー前から知っている彼が、本当にデビューしたのだなあという、此の胸の感慨を。
まぎれなくこの作品は、新人SF作家によって成された、プロのお仕事。その彼の妄想力は、羽をまとって何処までも駆け、ともなう筆のたしかさで、SF初心者のわたしにもとっつきやすく、またたいへん面白く! 大いに興味をそそられるものでした。
あらためて、おめでとうを。本当にプロになったのだね。あなたの妄想力が、さらにこの世に飛翔することを祈って……。いつか売れっ子になって、そして私においしい食事をおごってね☆
という期待もこめて、評価はMAX★5つです!w
Posted by ブクログ
普段あまりSFのジャンルは読まないのですが、そんな自分にSFも捨てたもんじゃないな、と思わせた本です。
始めは恋愛モノかな?と思っていたのですが、後半から急展開!引き込まれます。