あらすじ
言葉で問うのではなく、「描く」ことで、対話を深める―。
発言者の話す内容だけではなく、場のエネルギー、人と人との関係性、一人ひとりの感情をも、描き出すファシリテーションとは。
「言葉になっていない」ものが可視化されることで、人々の内省や当事者意識が促され、新しい洞察やビジョン、未来が生み出されていく。
日本でも注目。U理論深化の一翼を担った著者が説く、新しい場づくりの実践。
【スクライビングとは】
人々が対話している間に、発言者の話の内容や考えを視覚的に表すこと。
●単なる「わかりやすさ」や「美しさ」を超えた、描くことの深い効果を「U理論」や「学習する組織」など、組織開発の理論をベースに解説。
●「在る」「融合する」「捉える」「知る」「描く」という5つの実践モデルで、生成的な場づくりを紐解く。
●カラーページで、著者の実際のスクライビングも多数掲載。
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Posted by ブクログ
スクライビングを実践する上で、抽象度と五感への依存が高い部分を言語化した一冊。実践と理論の行き来の中で繰り返し読んで血肉にしたい。
U理論の併読がWantか。
備忘録
・スクライビングは本質的には参加型のソーシャルアート
・内面と外面に同時に注意を向け、複数の情報を処理する
・5つの領域:在る、融合する、捉える、知る、描く
・3つの枠組み:ダイアモンド・氷山・プレゼンシング
・カンターの4つの行動モデル:動かす、後に続く、反対する、俯瞰する
・氷山モデル:出来事、行動パターン、構造、メンタルモデル、ビジョン
・プレゼンシング: 出現し明らかになりつつある現実に呼び起こされる行動を今この瞬間にとること
・在り方をケアする=殻と実の両方をケアすること。鎧がはがれると中の実が自由になり、単純に在るよういざなわれる。
・スケッチに言葉を添える形でのジャーナリングに1年間打ち込む。模倣に学び、統合で進歩し、自らの源に触れることで熟達する。オーセンティックな自己であれ。
・壁の前に立った時描かれたがっているものは何かイメージする。イメージできない時は描かない。まずはより深く聴く。
・クライアントとは直接話す。組織文化を事前に掴み、自分の価値観と通じるものがある相手としか組まない。どんな仕事も何が目的で何が求められているかを事前に理解してから受ける。現場入りの前に会場環境と配置を知っておく。お互いを尊重できる関係でなければ仕事を受けない。
Posted by ブクログ
U理論や学習する組織などは、少し触れたことがあるが、なかなか理解しづらい部分がある。
この本では、そのパーツパーツをスクライビングという技術を通じて、少し理解できるようになった気がする。
時間をおいて、たまに読むと、
自分の立ち振る舞いを見直すきっかけになりそう。
Posted by ブクログ
「学習する組織」、「U理論」関係のファシリーテーション・グラフィック、グラフィック・レコーディングの本かな?と思い、なんとなく興味は持っていたのだが、なにせ字や絵を描くのが大の苦手で、ファシリーテーション・グラフィックなどなどは、必要なときは誰かに頼むことにしている。
そういうわけで、2年前にでていたものをようやく読んでみた。
ここでは、話をグラフィックにするのは、スクライビングといわれている。(これらの言葉の違いはわからない)
描くのが苦手なわたしには、かなり高度な話で、アートの世界だな〜と思いつつ、参考になるところも思った以上にあった。
つまり、学習する組織系のフレームワーク的なものを踏まえたものになっているので、自分で絵を描かない場合でも、対話の進行のしかたなどへのヒントがたくさんあった。
一方、最近の「学習する組織」系の話しは、ますますアート的、右脳的、身体的、神秘主義的になっているなという印象をもった。
左脳だけでなく、右脳、身体が統合されるということの重要性はわかるのだが、なんだか、自分がいわゆる「現実」世界でやっていることとの距離を感じてしまう。
U理論は面白いかなと思いつつも、だんだん縁が遠くなっている感覚があって、やはり自分のリアリティとは違う感じを再確認してしまったかな?
Posted by ブクログ
グラレコしてもらったこと何回かあるけど、ファシリテーションしてるときに感じるようなことを表現してるんだなぁ。
私には絵の才能はないので、羨ましい。
Posted by ブクログ
とりあえず最後まで読みすすめた、というのが一番正しい状態。
巻末の写真など、「ああ、こういうものがともに描かれる場を作ってみたい」と思うものの、本文の中から私が受け取れたものはまだ少ないように感じている。
でもそれでも、もう一回挑んでみたいと思う、不思議な魅力のある本です。