【感想・ネタバレ】ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元のレビュー

あらすじ

貿易、5G、デジタル通貨など、
次代の覇権を巡り激しく対立してきた米中は、
2020年、新型コロナウイルスの世界的感染爆発によって
いよいよ「激突した」といっていいだろう。
“戦争前夜”ともいわれる今、
本書では米中両国の情勢と国家戦略を多角的に分析し、
日本と世界の行方を占った。

中国共産党による長春食物封鎖という極限を生き抜いた経験を持つ
中国問題グローバル研究所所長の遠藤誉氏は、
独自の視点と情報ネットワークから香港問題やグレーターベイエリア戦略等、
現在の中国の国家問題・戦略を大局的かつ子細に論じる。
その分析から浮かび上がってきた習近平の父・習仲勛の存在……。
仲勛が今後の中国共産党の戦略を見極める上で
重要なキーパーソンであることがうかがえる。

米中覇権のカギを握る「ドルvs人民元」のデジタル通貨戦争については
同研究所理事で、中国での投資経験も豊富な実業家・白井一成氏が担当。
さらに、同研究所中国代表の孫啓明教授の特別寄稿などを加え、
中国問題グローバル研究所の総力を結集して
ポストコロナ時代の米中覇権と新世界秩序形成の行方を分析。
米中の歴史、今、そして両国と世界の未来が見える大著である。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

香港問題や新型コロナへの対応などで、激化する米中対立。ポストコロナの世界で覇権を目指す中国と、それに対抗するアメリカの戦略について、中国問題分析の第一人者らが解説する書籍。

新型コロナウイルス肺炎を巡る米中の戦略は、大きく異なる。
・トランプ大統領は、WHOが中国に忖度して警告を遅らせ、コロナを蔓延させたと非難。拠出金の停止、脱退を示唆した。
・中国はコロナの震源地だが、「人類運命共同体」を強調し、コロナで苦しむ国への「医療支援外交」を展開している。中国の戦略は、国際社会を味方に付ける上で賢明といえる。

中国は、国連や国連専門機関の要職に親中派や中国人を大量に送り込み、国連を乗っ取ろうとしている。中国建国の父・毛沢東の夢、世界の中国共産主義化は着実に実現しつつある。

2020年6月、中国は、発展途上国77カ国・地域の債務返済を一時的に停止すると発表した。その大半は「一帯一路」(広域経済圏構想)沿線国だ。債務返済の猶予は、中国の地位を高め、「ポストコロナの世界新秩序」を形成するための戦略といえる。

2020年5月、アメリカは、中国が香港への統制を強化する香港国家安全法の対抗措置として、香港に対する関税などの優遇措置を廃止すると発表した。また、香港の自由を侵害した個人や組織と取引する銀行に制裁を加えることも検討している。こうした措置により、中国企業はドルの調達が困難になり、香港の地位・機能は大幅に低下すると見られる。

中国は、デジタル通貨を数年前から研究しており、世界で初めてデジタル通貨を発行する可能性がある。現在、世界の基軸通貨はドルだが、デジタル人民元が発行されれば、米ドル覇権世界は打破されるかもしれない

0
2021年10月02日

Posted by ブクログ

中国にとってトランプは脅威の存在だと思っていたら、そうではないようだった。
トランプは中国を「再建国」してくれるありがたい存在だとか。
バイデン政権になってどうなるのだろうか。
なんか中国が世界の覇者になりそうだな。

0
2020年12月13日

「ビジネス・経済」ランキング