【感想・ネタバレ】コスト削減と再エネ導入を成功させる 最強の電力調達完全ガイドのレビュー

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Posted by ブクログ

電力切替、再エネ対応等、具体的に説明しており実務にも活かせると感じた。本のボリュームは多かったが、その分内容もあるので、読み応えとしてはあり。今の状況は切替難しいが、今後の参考にはなった。

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2022年04月11日

Posted by ブクログ

電力調達の基礎、ステップ、再エネ調達まで。
電力調達のみならず、再エネ調達企業の評価に役立つ。

◯供給電圧
・特別高圧:20,000V以上
・高圧:6,000V
・低圧:100V(電灯)、200V(動力)

◯力率(%)=有効電力/皮相電力
・皮相電力:電力会社が送った電力
・有効電力:実際に使う電力

◯電力料金=基本料金+電力量料金(従量料金)+その他の料金

◯基本料金=基本料金単価(円/kW)×契約電力(kW)×力率割引(割増)
・特別高圧、高圧:力率85%を基準として、基本料金を±15%
・低圧:基本料金について、85%を上回ると-5%、下回ると+5%

◯電力量料金=電力量料金単価(円/kWh)×使用電力量(kWh)

◯その他の料金
・燃料費調整額=燃料費調整単価(円/kWh)×使用電力量(kWh)
・再エネ賦課金=再エネ賦課金単価(円/kWh)×使用電力量(kWh)

◯大手電力は固定費=基本料金が高く、新電力は電力量料金が高い傾向→負荷率で検討
・負荷率(%)=年間使用電力量/(契約電力×24×365)×100

◯電力調達のアプローチ10ステップ
①電力調達改革の方針決め:内部調整が重要
 ・購買の分散/集中 → 集中することで調達関連業務の効率化、管理の高度化
 ・スケジュール:6〜9ヶ月後の供給開始分までの見積もり提案受諾が通常

②電力データの収集・整理
・過去12ヶ月分の実績データ
 必須:電力会社名、契約種別名、契約電力(kW)、使用電力量(kWh)
 任意:力率(%)、月次最大電力(kW)、電力会社のC O2排出係数
・電力料金実績に関するデータ
 必須:基本料金、電力量料金、割引料金や追加課金料金
・契約期間と中途解約条件
 需給契約書、大口法人割引特約、長期割引特約、継続割引特約等、複数に及ぶ場合はそれぞれ確認

③電力会社への見積もり依頼
・電力取引報、新電力ネット、エネルギー情報局
・見積もりの前提を「RFP(提案依頼書)」に定める
 消費税
 契約電力:過去12ヶ月の各月or直近
 使用電力量
 燃料費調整額、再エネ賦課金:含めない金額で、明示
 付帯契約(バックアップ契約、補給契約等):含めず、別枠で提案を受けること明示

④見積もり提案の評価

⑤価格協議・契約条件協議
・契約条件で特に精査すべきポイント
 ・燃料費調整額:独自設定の場合があり検算
 ・中途解約金:自動更新か再契約か
 ・解約予告:短い期間で自由度確保
 ・自動更新、再契約の場合の申告リミット
 ・最低引き取り電力量、維持すべき電力(ミニマム条件):ユーザー側にメリットがないので削除

⑥切り替えに関する社内承認

⑦申込手続き、契約切り替え
・外部委託、電気主任技術者の確保

⑧実績モニタリング・評価
・誤りがあり得る

⑨契約更新・切り替え

⑩契約・実績データ管理

◯電力調達の高度化・最適化
・運用改善:拠点の操業時間の短縮化、スライド、機器稼働時間の平準化、設定見直し等により、契約電力と使用電力量を削減
・機器更新(リプレース)

・調達偏差値の確認、外部人材の有効活用

・欧米にあるデータベースを用いた電力調達手法
cf.不動産業界のREINS(レインズ)

・コスト構造分析手法の確立
発電所トラッキング

◯再生可能エネルギー
・稼働から20年以内であれば既存適用

・現在の非FITの大半は水力、今後増加
2016年電力全面自由化に併せて、水力発電に関する新たなガイドラインで自治体が保有する水力発電所(公営水力)は原則として大手電力との随意契約を解消
→地域新電力が水力を販売の可能性

・電力会社が非化石証書を購入することで、FIT電気の環境価値を取り戻す仕組み

・FIT電源は送配電買取
→卸融通(特定卸供給)契約を結ぶことで小売電力事業者が間接的に調達

◯再エネ導入方法
1電力会社の再エネ電力メニューを契約する
 非化石証書(再エネ指定)
2電力そのまま環境価値だけ別途購入
 グリーン電力証書、Jクレジット(再エネ由来のもの)
 ※非化石証書は小売電力会社しか購入できない
3再エネ電源に投資してその電力を使う
 自家消費、コーポレートPPA

◯エネルギー供給構造高度化法
2020年4月以降、送配電網に接続する再エネ電源から生じるすべての環境価値は原則、非化石証書(再エネ指定)にして取引する
小売電力事業者は2030年までに電気の非化石比率を44%にする目標達成義務
一定規模(販売電力量が年間5億kWh)以上の電力会社に対して、国が達成状況を確認

◯非化石証書
・再エネ指定あり(FIT証書):最低価格1.3円/kWh(税抜き)
・再エネ指定あり(非FIT証書):最低価格なし
・再エネ指定なし:主に原発

◯J-クレジット
・自家消費を前提としているため送配電網に電気を流していない→非化石証書となる制度変更の対象とはならず引き続き利用可能

◯グリーン電力証書
・日本品質保証機構(JQA)が認証する発行事業者から購入可能

◯アップルの再エネ電力調達基準
・地域系統(そのエリアの送配電網)の火力電源を代替できる可能性があるか
・地域、世界に与えるインパクトがあるか(環境破壊などの問題を引き起こしていないか等)
・説明責任が果たせる電源かどうか、透明性の高い電源かどうか

◯再エネ調達の種類
・トラッキング付き非化石証書:二重カウントされていないことの証明(RE100準拠)
・電源特定
・追加性:新規発電所、運転まもない発電所
・環境負荷の低いもの:開発時に森林伐採等の環境破壊につながっていないか

◯再エネ電力コスト構成要素
・発電コスト+環境価値+託送料+再エネ賦課金+事業者マージン

◯JEPXをベースにした再エネ電力メニュー
①非FIT再エネ電源+環境価値
水力、ごみ焼却発電等(約10~11円/kWh)環境価値含む
卒FIT再エネ(7~9円/kWh)+環境価値
※大手電力の水力発電所は減価償却が終わっており発電コストは安いが環境価値のプレミアムで割高(値引き余力が大きい)

②FIT電源+非化石証書(電源特定)
FIT電気を特定卸供給契約により調達
JEPX価格と同額に調整+プレミアム上乗せ(例0.3円/kWh)
非化石価値市場の最低価格1.3円/kWh

③低コスト電源+非化石証書
JEPXからの調達、石炭火力の相対契約+非化石証書、Jクレ(1円/kWh)

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2021年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

エネルギー関連について学ぶべく読書。

メモ
・電力サプライチェーン
 つくる 大手電力発電、その他発電、卸電力取引所
 送る 地域送配電会社
 売る 大手電力会社、新電力
・新電力とは新たな小売事業者。ppsとも。power producer and supplier
・電力自由化経緯は震災後に原発停止でlngで電気料金高騰による。
・家庭の電灯は100ボルト、業務用空調動力は200ボルト
・特高や高圧ユーザーはキュービクルという従変電設備が必要
・電気料金単価1kwh10円に始まり最大20円、2010年に13円程度 、震災で19円、その後15円に下がり18年は17円程度。
・燃料費調整単価 マイナス5円からプラス3円まで
・再エネ賦課金は上昇傾向 直近は3円程度
・負荷率が高い場合、稼働が高い状態を維持しやすいため発電所をもつ大手電力会社にメリットが大きい。一方低い場合は変動費割合が高い新電力に優位性があることが多い。、
・最初に電力調達の対象範囲を決めるべし。
・一括見積もりがいいとは限らない。
・電力会社からよい提案をもらうためには好かれる必要あり。
 そのためにはコミュニケーションが重要。
・5つの削減手法
 集中購買、市場ベンチマーク、原価推計、仕様協議、関係強化
・電力は膨大な固定費、かつ用途共通製品であるため、ボリュームディスカウントは極めて効きにくい。
・特高の託送費2円、低圧9円といったように種類で大きな差があり。
・電力コストの構成項目
 発電コスト、託送費、送電ロス費、販管費、事業者マージン
・契約条件で精査すべきポイント
 燃料費調整額、中途解約金、解約予告、自動更新再契約の申告リミット、最低引取り電力量
・電力調達改革を高度化するためのポイント
 目標設定とモニタリングの仕組み化
 プロジェクトチームの設置とミッションの設定
 社内社外の専門知識を持った人材の確保
・電力調達の最適化切り口
 調達単価を安くする
 電気の使い方改善
 環境への取り組み
・外部サービス提供者類型
 一括見積もり事業者
 集約支払事業者
 コスト削減コンサルティング
 調達支援BPO事業者
・専門家を使う意味は調達実績や市況データを持っている部分
・コスト構造分析を利用した調達手法が出てきた背景
 電力会社が発電所トラッキングの料金メニューを提供し始めた
 需要家同士が直接電力を売買する時代がやってきた
 より精緻なコスト削減手法が求められるようになってきた
・コスト積み上げ型の電気料金メニュー
 事業者マージン+再エネ賦課金+燃料費調整額+託送費+発電コスト
・デベの工事現場での電力削減例
 契約電力見直し 過大部分の縮小
 契約電力増やすタイミングの見直し 段階的な拡大に
 テナント埋まるまでの電気料金最小化
 割引メニュー提供者の探索
・co2を減らす方法
 省エネ、発生co二を減らす、単位エネルギーのco二を減らす(再エネ比率向上はここ)
・1.5度報告書。2050年までに実質ゼロの必要性をうたうもの。
・tcfdの存在。世界主要25ヵ国の財務相や中央銀行総裁が参加する金融安定理事会の気候関連情報開示タスクフォース。企業の業績や財務などに気候変動が与える影響を開示する際の基本原則を取りまとめ。
・再エネとは枯渇しない、どこにでも存在する、co2を排出しないという3つの特徴を備えたエネルギー
・水力2216万kw
・震災後原子力が止まり、火力急騰し、再エネ認知が高まった。fit導入へ。2019年再エネ比率21.1%
・2019年12末、fit電源は太陽光5336.9万kw、、風力387.6万、バイオマス342
・再エネ賦課金は2.4兆円2022年からはfip制度へ。
・再エネ電力=電力+環境価値
電力には色がない。詔書を買うことで再エネ電力であるとすることができる。
・日本で取得できる環境価値は非化石証書、グリーン電力証書、Jクレジット
・日本の水力発電所で発電した再エネ電力はほぼ全て大手電力会社を介して供給されている。
・卒fit電力は環境価値を持った再エネ電力
卒fit電源はfit制度の買取期間で初期コストを回収済みの発電設備なので、コストはメンテナンスや回収費用だけという低コスト電源。
・環境価値は1-2円/kwh程度
・方針決め 経営トップのコミットメント
 取り組み方針、実現方法、ロードマップ
・実現方法3つ 電力会社の再エネメニュー。環境価値だけ自社調達、一部自社で。自社で発電所保有。再エネ電力コスト構造理解により、適正判断が可能に。
・再エネ電力に切り替える目的
 規格に準拠する
 再エネ導入をPRする
 再エネを自社のビジネスに取り込む
・日本の環境価値証書
 グリーン電力証書→非fit再エネ電源環境価値
 jクレジット→需要家のco2削減価値
 非化石証書→fit電源の環境価値 
・自家消費 発電コスト15円、再エネ賦課金なくコスト優位性あり?
・third party ownership 従量課金 第三者保有モデル
・コーポレートppa 企業が直接発電所の建設コストをファイナンスするもの。卸電力の上昇リスクを回避できる。
・re100ならトラッキング付き非化石証書で。
・どんな電源で発電した電力を選択するか考える際は追加性の他に電源の環境負荷も考慮すべき。バイオマスの中には森林破壊につながるよのも。
・アップルの再エネ電力調達基準
 地域系統の火力電源代替可能性があるか
 地域世界に与えるインパクトがあるか 
 説明責任が果たせる電源か、透明性高いか
・卒fit買取価格7-9円/kwh 低コストメニュー提供の可能性。水力も減価償却完了で発電コスト低い。
・非fit由来非化石市場最低価格1.3円
jクレジットは1円ほど。
・丸井の想定。再エネコスト4円kwh追加。年8億円のコスト増。炭素税導入で22億円の追加コスト。本業の利益創造20億円。
・再エネ取扱4分類
 大手電力会社、大手新電力、再エネ新電力、地域新電力

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2021年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コスト削減と再エネ導入を成功させる最強の電力調達完全ガイド
久保欣也(日本省電)、三宅成也(みんな電力)、山根小雪(日経エネルギーNext)
日経BPマーケティング

電気料金の構成
電気料金= 基本料金 + 電力量料金 + 再エネ賦課金
基本料金= 基本料金単価 x 契約電力 x 力率割引
電力量料金= (電力量料金単価 + 燃料費調整単価) x 使用電力量
再エネ賦課金= 再エネ賦課金単価 x 使用電力量
電気料金= 発電コスト+ 環境価値+ 託送費+ 再エネ賦課金+ 事業者マージン

負荷率 = 年間使用電力量÷(契約電力x24x365)x 100
大手電力会社は24時間回したい発電設備 
⇒ 固定費があるので基本料金を下げにくいが、負荷率が高い方が価格交渉しやすい
新電力は設備を持っていない
⇒ 基本料金を下げやすいので、負荷率が低いほうが価格交渉しやすい

小売事業者はFIT電源を保有する再エネ発電事業者から、直接電力を買い取ることはできない。送配電事業者から卸融通(電気事業法上、特定卸供給という)を受けることでFIT電源で発電した電力を間接的に調達することが可能。

再エネ電力の導入方法
・電力会社が提供している再エネ電力メニューを契約する
・電力はそのまま環境価値だけ、別途購入する
グリーン電力証書
J-クレジット:自家消費を前提とし、環境価値だけを販売
非化石証書
・再エネ電源に投資して、その電力を直接使用する(コーポレートPPA)
*コーポレートPPA:需要家が発電所と直接電力売買契約を締結⇒企業が発電所の建設費用をファイナンスすることで、新たな発電所を建設する。企業は再エネ電力の供給量を確保できる。また、買取価格が契約期間中固定されるので卸電力価格上昇リスクを回避可能。

エネルギー供給構造高度化法
「小売電気事業者は2030年までに電気の非化石比率を44%にする」という目標達成義務を負う

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2021年02月14日

Posted by ブクログ

複数の事業拠点があるレベルの、中規模以上の会社を対象にした話のようで、そのターゲットからは外れていたけど、SDGsを絡めた話とか、結構興味深い。

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2021年02月22日

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